2019 Fiscal Year Annual Research Report
Shear-strength variation along subducting mega-thrust- their influence on the geometry of accretionary prism
Project/Area Number |
19H02008
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山本 由弦 神戸大学, 理学研究科, 教授 (10435753)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古市 幹人 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 付加価値情報創生部門(数理科学・先端技術研究開発センター), グループリーダー (50415981)
西浦 泰介 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 付加価値情報創生部門(数理科学・先端技術研究開発センター), 主任技術研究員 (60509719)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 剪断強度 / IODP / ちきゅう / DEM |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、天然沈み込み帯試料の地質・物性検討を重点的に実施した。①深度2-4 kmの付加体(房総半島)において断層岩および母岩の三軸試験の追試験を実施し、封圧50 MPaまでの強度試験を実施し、予備試験と同様に「剪断による約240%の強度増加」を得た。この剪断による動的な強度増加をシミュレーションに受け渡すのが本研究の主軸である:試験結果をDEMのモデル実験に受け渡す準備を行っている。②深度5 km前後の南海掘削試料の船上記載を、8月までに実施し、微小スケールの構造検討のため試料の研磨と薄片作成を行った。③深度5 km以深の紀伊半島においては、3度の現地調査を実施し、温度検討用の試料を採取した。 2019年度の途中で神戸大学への異動が決定したため、予算の使用内容を一部変更し、温度構造検討用のLED反射光検出顕微鏡システムを構築した。構築したシステムを用いて、紀伊半島における温度構造の予察データを得た。温度構造からギャップを見いだすことができれば、ターゲットにするべき沈み込み帯の主要断層を絞り込める。その他、異動に伴い本研究に最低限必要な実験水道(試料の研磨処理・機器の冷却水)と試料研磨用作業台などの実験環境を整備した。 DEMのモデル実験については、2019年度は得られた強度変化を再現する物性調整を計算機上で試みた。これをもとに、上記①の実験データ導入フォーマットを検討している。京コンピュータに代わる計算環境の整備が必要になったため、計画よりもやや遅れている。東京大学ないし名古屋大学の有料サービスの使用を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
神戸大学への異動という当初予想していなかったイベントがあり、予算使用内容を変更せざるを得なかったが、天然地質体の検討とデータ抽出(房総半島・紀伊半島・海洋掘削)、三軸実験(房総半島)はすべて順調に進んでいる。 DEMのモデル実験については、2019年度は強度変化を計算機上の三軸実験において再現する計画であった。京コンピュータに代わる計算環境の整備が必要になったため、計画よりもやや遅れている。東京大学ないし名古屋大学の有料サービスの使用を検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
モデル実験について、三軸試験の再現が1年遅れる見込みであるが、その剪断強度増加を反映させたDEMのモデル実験は、今のところ予定通りの2021年度中に達成できると考えている。 その他、天然地質体の構造地質、物性、温度構造の抽出は予定通りであるが、新型コロナウイルスの流行により今後の調査。研究に支障が出る可能性がある。今のところは大きな問題となっていないが、特に、秋以降の第2波・第3波の流行が起こった場合には影響が大きいと考えられ、完全に見通すことはできない。
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Research Products
(9 results)