2019 Fiscal Year Annual Research Report
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19H02012
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
池田 昌之 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (10635882)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 利栄 愛媛大学, 理工学研究科(理学系), 教授 (30263924)
後藤 孝介 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 主任研究員 (30612171)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 地質時代境界 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は浅海層や深海層の地質時代境界を対象とした野外調査と化学分析を行い、本研究目的である日射変化としてより顕著な4万年から数100万年の地軸傾動や離心率変動と時代境界の関係を検討する。日射の影響の増幅機構の仮説として、陸域湿潤化による植生拡大が水循環を加速し、さらに湿潤化する湿潤フィードバックが働いた可能性がある。また、海洋貧酸素化により堆積物中のリンが溶出し、さらに栄養塩が増加してさらに貧酸素になる貧酸素フィードバックが働いた可能性もある。これらの影響の長期的蓄積は、炭素循環を介して気候や生態系へも影響しうる。そのため、欧米及び本邦の浅海層と深海層において地質調査を行い、岩相変化から生物生産や風成塵堆積速度、底棲生物活動を検討すると共に、それらの周期解析によりミランコビッチサイクルの影響の検出を試みた。研究代表者と分担者後藤は採集岩石試料の粉末作成および化学分析により表層環境の推定を行った。研究代表者と分担者堀は三畳紀から白亜紀の深海層から放散虫などの微化石の抽出および同定を行い、古環境記録との比較から環境変化の生態系への影響を考察した。現在、これらを制約として物質循環モデルにより地球表層で日射の影響を増幅したメカニズムについて検討すると共に、化石記録と比較することで、地球軌道変化が地球環境や生態系へ与えた影響を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
昨年度は予想以上の調査地域においてサンプリングを行うと共に、サイクル層序学的,古生物学的,地球化学的観点からいくつかの大きな成果が得られた。ただし,3月から新型コロナウイルス感染症対策のため,調査や分析がストップしており、不安要素が大きい。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は新型コロナウイルス感染症対策のため,調査や分析が行えない可能性が高い。そのため、今年度は既に得られたデータの執筆に集中する予定である。
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Research Products
(12 results)