2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19H02014
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大路 樹生 名古屋大学, 博物館, 特任教授 (50160487)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井龍 康文 東北大学, 理学研究科, 教授 (00250671)
高柳 栄子 東北大学, 理学研究科, 准教授 (40729208)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | カンブリア紀 / エディアカラ紀 / オルドビス紀 / Isoxys / 日立変成岩類 / ウミユリ / 化石化過程 |
Outline of Annual Research Achievements |
モロッコのFezouata地域から産するオルドビス紀前期の化石群は、カンブリア紀の「生き残り」の動物群を多く含み、オルドビス紀の生物大放散事変の実態を知るうえ上で重要である。Fezouataから産出した一つの節足動物化石の詳細な検討を行い、これがカンブリア紀から多く産出するIsoxys類の生き残りである可能性を検討してきたが、アメリカのイェール大学のPeabody Museumに保管されている多数のFezouata産節足動物化石を検討した結果、研究中のIsoxys類似の節足動物化石が、従来報告されたどの種にも当てはまらない新しい種類であることが判明した。よってカンブリア紀に繁栄したIsoxys類はオルドビス紀まで生き残り、しかも大型化している可能性が示された。Isoxys類がオルドビス紀に大型化した理由の一つとして、その食性の変化が考えられる。 茨城県日立市の高鈴山南東麓には日本で唯一、広くカンブリア系が分布することが確認されているが、その分布域に含まれる石灰岩層(通称「金山石灰岩」)中に含まれるウミユリ化石の検討を行った。さらに石灰岩に含まれる砕屑性ジルコンの年代測定を行った。ウミユリ化石は茎のみが産出し、その特徴的形態からアメリカの石炭系下部から知られているCyclocion属に類似することが分かった。またジルコンの年代測定の結果からこの石灰岩がやはり石炭系であることが分かった。したがってこの石灰岩はカンブリア系ではなく、カンブリア系に挟まれた石炭系の地層であることが判明した。今後はウミユリ化石の記載と現地の地質構造の解釈が必要となる。またウミユリ化石等、単結晶からなる骨格を持つ動物化石は変成岩中でも保存される可能性が高いことが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の目的である、モンゴルを中心としたフィールドワークとその成果に基づく地質学的、古生物学的研究に限ることなく、他の時代の適応放散現象や多様化、そして化石化過程の研究なども行い、カンブリア爆発の総合的な研究に役立てることを目指すようになった。その結果、日本の日立のカンブリア系に含まれる結晶質石灰岩中の化石の研究や、カンブリア紀に続く多様度急上昇が見られるオルドビス紀前期の化石の実態についても新たな研究成果を生み出すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
モンゴルのエディアカラ系、カンブリア系の地質学と古生物学、特に藻類化石の分布と多様性に関する研究、また茨城県日立地域のウミユリ化石に関する古生物学的研究、そしてモロッコのFezouata地域からの巨大なIsoxys類の化石の記載、さらにはアメリカ西部の白亜系の化学合成生態系と考えられるウミユリ化石の詳細な形態分析等、多岐にわたる研究を同時に進め、成果を発表していく計画である。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Changing surface ocean circulation caused the local demise of echinoid Scaphechinus mirabilis in Taiwan during the Pleistocene-Holocene transition.2022
Author(s)
Ho, S.L., Wang, J.-K., Lin, Y.-J., Lin, C.-R., Lee, C.-W., Hsu, C.-H., Chang, L.-Y., Wu, T.-H., Tseng, C.-C., Wu, H.-J., John, C.M., Oji, T., Liu, T.-K., Chen, W.-S., Li, P., Fang, J.-N., Lin, J.-P.
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Journal Title
Scientific Reports
Volume: 12
Pages: 1-9
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Palaeoecology of the Hiraiso Formation (Miyagi Prefecture, Japan) and implications for the recovery following the end-Permian mass extinction2022
Author(s)
Foster, W.J., Godbold, A., Byayard, A., Frank, A.B., Grasby, S.E., Twitchett, R.J., Oji, T.
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Journal Title
PeerJ, Paleontology and Evolutionary Science
Volume: -
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Presentation] Late Ediacaran to earliest Cambrian algae from Mongolia: their low diversity compared with Chinese Ediacaran algal flora.2022
Author(s)
Mochizuki, T., Oji, T., Gonchigdorj, S., Katada, H., Ishikawa, K., Osawa, H., Onodera, K.
Organizer
The 6th International Palaeontological Congress
Int'l Joint Research
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[Presentation] Crinoid columnals from the Hitachi metamorphic complex, eastern Japan.2022
Author(s)
Oji, T., Tagiri, M., Ando, H., Hanawa, K., Oikawa, A.
Organizer
The 6th International Palaeontological Congress
Int'l Joint Research