2020 Fiscal Year Annual Research Report
A Novel SiC Power Device Bonding Technology Using Zn/Al/Ni Functional Film
Project/Area Number |
19H02044
|
Research Institution | Kyoto University of Advanced Science |
Principal Investigator |
生津 資大 京都先端科学大学, 工学部, 教授 (90347526)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 修吾 神戸市立工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (60743953)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | Al/Ni/Zn多層膜 / 自己伝播発熱反応 / 瞬間反応 / ダイシング / クラックフリー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,“ピンセットで突く”等の単純な機械刺激のみで0.1秒未満に約1300J/gもの熱量を発するAl/Ni発熱多層膜を用い,パルスレーザー多点同時照射技術と組み合わせることで,SiCウェハの接合とダイシングを瞬間的かつ連続的に完了させる新規デバイス加工プロセスを提案する.具体的には,Al/Niスパッタ多層膜を熱源としたSiCウェハの瞬間接合において,パルスレーザーを用いた複数点同時反応誘起技術で反応後のNiAl合金内部に生じるクラックを人為的に賽の目状に形成し,それをダイシングストリートとして上下のSiCウェハを同一レーザーでダイシングすることで,今までにない高スループットなSiCチップ接合体の加工プロセスを確立する.コンビナトリアル三源スパッタ法で延性Al/Ni発熱膜とZn/Al接着膜のハイブリッド機能膜(Zn/Al/Ni多層膜)を創製し,クラックフリーな接合体の製造を実現する. 2年目となる2020年度,レーザー反応誘起実験システムを使ってAl/Ni多層膜に2点同時レーザー照射し,2点で反応誘起させてクラック制御を試みた.その結果,バイレイヤー厚によって反応開始タイミングと反応伝播速度が異なることがわかった.クラックを2つの反応点の中央に人為的に作る実験技術の基礎を構築できた.また,接合したチップには反応衝突位置にできるクラック以外に,反応伝播方向と平行なクラックと,それに垂直な微小クラックの3種類が存在することがわかった.後者2つのクラックを如何に抑制するかが今後の課題である.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
複数点レーザー反応誘起システムを構築し,様々なバイレイヤー厚を持つAl/Ni発熱多層膜の反応誘起実験ならびにクラック制御実験を行った.クラック制御については概ね順調に進んでいる.一方,Al/Niの瞬間発熱性とAl/Znの接着性の双方の機能を併せ持つAl/Ni/Znハイブリッド多層膜については,製膜装置の不具合のために予定より遅れが生じている.スパッタリング装置の修理と調整にかなりの時間を費やしてきたが,概ね解決できたためにこれから実験を進めていく.
|
Strategy for Future Research Activity |
Al/Ni/Znハイブリッド多層膜の製膜を行い,発熱機能と接着機能の双方を併せ持つことを実験的に確認する.電気刺激に加え,機械刺激そしてレーザー刺激などの複数の方法で反応誘起させ,反応伝播の様子や接着層の溶融の様子を詳細に観察・評価する.また,この膜を使って2点同時レーザー照射反応誘起実験を行い,クラックのでき方を評価する.瞬間接合と同時に人為的にクラック位置と向きを制御できる実験技術と条件を確立する.
|
Research Products
(13 results)