2021 Fiscal Year Annual Research Report
Methodology and Fundamental Technology for Innovative Design Ideation by Collaboration of Human- and Artificial Intelligence
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19H02047
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村上 存 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (20212251)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | デザイン発想インフォマティクス / 協創的知能 / 発想創出 / デザインマップ / 対立概念の解決 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、人間と計算機による協創的知能、デザイン発想インフォマティクスに関して以下の研究テーマを実施した。 〔1〕機能・ユーザ体験の知識・情報の補強によるデザイン発想創出: 多数の特徴的な製品・サービス・技術の事例群をデザインマップとして収集し、それらが提供する機能とユーザ体験を、計算機処理可能な形式の文で記述した。一方、解決したい問題、発想を得たい問題として、やりたいこと、できなくて困っていることを、同様な形式の文で記述した。そして、ITの系統性により、機能、ユーザ体験と問題の潜在的な関連性を文の類似度で探索、提示することで、人間の思考への刺激となり、新たな発想が得られることを確認した。 〔2〕対立概念の解決によるデザイン発想創出:「強いが軽いハニカム構造」、「開放感があるがプライバシーは守られる建築」など、一見対立する概念を両立させることは、革新的な発想の一つのスタイルである。本研究では、概念辞書+反対語辞書の計算機処理により、概念体系における対立概念の対を網羅的、系統的に列挙する。それを両立させる問題を使用者に問いかけることにより、革新的な設計/デザインの発想創出につなげる方法論と、そのためのソフトウェアを実装し、有効性を検証した。 〔3〕グループ発散思考の系統的誘導によるデザイン発想創出:創造的思考は、発想の種類や範囲を広げる発散思考と、発散思考で得られた発想を有効な解にまとめる収束思考で構成される。本研究では昨年度の成果として、参加者1名の発想語の連鎖をITにより元の課題語から類似度が低い方向(発散思考)に誘導する方法を提案した。本年度はその方法を展開し、ITにより複数名の参加者それぞれの発想を発散方向に誘導するとともに、参加者相互の発想も類似度が小さい方向に誘導することにより、グループとしての発想の範囲を発散させる実験を行い、可能性を検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究計画の主題に沿った複数の方向の試行が順調に行えている。 コロナ禍の影響があり、被験者を招いての対面実験が行えていないことは、当初の計画よりやや遅れている点である。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの3年間で、本研究計画の主題に沿った複数の方向の試行を行ってきた。 そこで得られた成果、知見のうち、有効性、可能性が高いものを選択し、最終年度である来年度の研究を進める方針である。
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