2019 Fiscal Year Annual Research Report
人のように車のように移動できる屋内屋外両用全方向移動乗り物の開発と足操作性の解明
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19H02053
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小森 雅晴 京都大学, 工学研究科, 教授 (90335191)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 全方向移動 / 乗り物 / 足操作性 |
Outline of Annual Research Achievements |
近距離の快適な移動を実現するため、屋内をスムーズにどの方向にも移動でき、屋外や道路での移動もできる1人用移動装置が求められている。しかし、従来の移動装置は両方の機能を1台で実現することは困難であった。そこで本研究では研究代表者が提案した全方向移動機構の移動原理を基にして、屋内での全方向移動から、高い速度での道路走行まで、人のように車のように移動できる屋内屋外両用全方向移動乗り物を実現する。また、足操作性を解明し、これに基づいて足の動きで操作する方法を構築する。 人の足の動作特性の解明と、操作法の構築、評価を行った。まず、人の意図した足の動きと実際の動きの違いを調査した。画面内に仮想操作対象物を表示し、それが動く様子を被験者に示した。被験者は仮想操作対象物を自分の足の動きで操作しているという設定の下で足を実際に動かした。すなわち、被験者は仮想操作対象物の動作と同じ動作を足で行うことを意図して自分の足を動かした。その際の被験者の足の実際の動作をモーションキャプチャーで計測した。仮想操作対象物の動作を被験者が意図した動作と考え、この意図した足動作と計測された実際の足動作を比較した。仮想操作対象物の動作として単純動作から複合動作まで示した。この結果、人の意図した足の動きと実際の動きには違いがあることを明らかにした。次に足の動作特性を考慮し、実際の足の動作から操作者が意図した動作を推測し、適切に変換して指令する操作法を構築し、検証実験を行った。これにより提案した足操作法で、どの程度、効果的に操作できるのかを明らかにした。さらに、研究代表者が提案する全方向移動機構の原理、性質、成立条件を検討し、機構構成の影響を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
被験者が画面内の仮想操作対象物を自分の足の動きで操作しているという設定の下で足を実際に動かす実験を行い、意図した足の動きと実際の動きの違いを調査し、被験者に共通に見られる足の動きの特性を明らかにした。また、足の動作特性を考慮した操作法を構築し、検証実験を行って有効性を証明した。さらに、研究代表者が提案する全方向移動機構の原理、性質、成立条件を検討し、機構構成の影響を明らかにした。当初に予定していた研究実施計画をおおよそ実施できていることから、おおむね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は、操作に用いる際の足の動作についてさらに深く実験的調査を行い、足の動作特性を解明する。足の動きで操作する方法が、他の操作方法に対して、どの程度、効果が異なるのか調査する。さらに、提案する全方向移動機構について解明した原理や成立条件を考慮して、それを満足する構造を検討、設計し、実験装置を製作する。
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