2020 Fiscal Year Annual Research Report
人のように車のように移動できる屋内屋外両用全方向移動乗り物の開発と足操作性の解明
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19H02053
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小森 雅晴 京都大学, 工学研究科, 教授 (90335191)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 全方向移動 / 乗り物 / 足操作性 |
Outline of Annual Research Achievements |
近距離の快適な移動を実現するため、屋内をスムーズにどの方向にも移動でき、屋外や道路での移動もできる1人用移動装置が求められている。しかし、従来の移動装置は両方の機能を1台で実現することは困難であった。そこで本研究では研究代表者が提案した全方向移動機構の移動原理を基にして、屋内での全方向移動から、高い速度での道路走行まで、人のように車のように移動できる屋内屋外両用全方向移動乗り物を実現する。また、足操作性を解明し、これに基づいて足の動きで操作する方法を構築する。 足の多自由度操作の特性を定量的に評価するための評価システムを構築した。足の動きを計測し、その動作によって仮想空間中の仮想操作対象物を操作できるシステムを開発した。また、仮想空間中にターゲットを表示してそれに合うように仮想操作対象物を操作する評価ゲームを作成した。提案した評価システムを使用した実験により、足による操作について定量的に評価できることを確認した。実験の結果、足操作は手操作と比較すると、操作に必要な時間は79%長く、移動経路の精度は113%悪く、アンケートによる操作性評価は38%低いことがわかった。また、ファジィ推定を用いて位置操作と姿勢操作の理想度を定量的に評価する方法を提案した。その結果、足操作の理想度は手操作よりも20%から25%低いことを明らかにした。また、理想度は位置操作よりも姿勢操作の方が約13%低いことを示した。仮想操作対象物をターゲットに移動させる操作をマクロアプローチ操作と調整操作に分けられると仮定して、ファジー推定に基づく操作粗さ指標を定義した。これを用いてマクロアプローチ操作を評価した結果、足操作は手操作よりも1回あたりの移動距離、回転角度、回転速度が小さいことを明らかにした。また、足操作は手操作に比べて姿勢操作が弱いことを示した。提案する全方向移動機構については、その実験装置を製作した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
足操作の際に被験者に共通に見られる足の動きの特性を明らかにし、足の動作特性を考慮した操作法を構築した。また、足の多自由度操作の特性を定量的に評価するための評価システムを構築した。実験を行い、操作に必要な時間、移動経路の精度、アンケートによる操作性評価、理想度、1回あたりの移動距離、回転角度、回転速度、姿勢操作に関して足操作の特性を明らかにした。提案する全方向移動機構については、その原理、性質、成立条件を検討し、機構構成の影響を明らかにし、実験装置を製作した。当初に予定していた研究実施計画をおおよそ実施できていることから、おおむね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度は、製作した全方向移動機構の実験装置を用いて基本的な動作実験を行い、理論的に解明した原理や成立条件が正しいかを検証する。条件やパラメータを変更した実験を行い、理論との比較を行うことで、実稼働状態での機構の特性を明らかにする。また、足の動作特性、足操作についての調査をさらに進め、足操作装置を構築する。
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Research Products
(2 results)