2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a 3D3C super-resolution measurement method for flow velocity distribution in nanospace utilizing defocusing particle image with light interference
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19H02061
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
嘉副 裕 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 講師 (20600919)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花崎 逸雄 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 特任准教授 (10446734)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ナノ流路 / 粒子追跡法 / 流速分布 / デフォーカス |
Outline of Annual Research Achievements |
流体工学が光の波長より小さいナノ空間へと進展している。しかし、空間が幅・深さ数100 nm以下になると液体の物性変化など様々な特異的現象が発現するため、この空間の物質輸送を明らかにする超解像度(10 nm分解能)の流速分布計測が重要となる。流速分布計測法としては粒子画像流速計(PIV)が一般的であるが、(x, y, z)3方向に対して超解像度を実現することは極めて難しかった。そこで本研究では、レンズの結像で問題となる球面収差を積極活用・制御して、非焦点領域の粒子像からナノ粒子の位置を10 nm分解能で検出するデフォーカス・ナノPIVを開発する。具体的には、研究項目A)ナノ粒子のデフォーカス像の解析と超解像度分解能の検証、研究項目B)計測システム構築と条件の検討、研究項目C)ナノ流路の流速分布計測の検証に取り組む。 2019年度は、研究項目A及びBに取り組んだ。対物レンズの補正環を活用して球面収差と非焦点ナノ粒子像との関係を求めたところ、球面収差0.21λのときに流路深さ方向の非焦点像変化が最大となることが判った。また、対物レンズの開口数、蛍光の波長の影響も明らかにした。これらの結果にもとづき、流路深さz方向のナノ粒子位置計測で16 nmの超解像度分解能を達成した。これは過去に代表者が開発したエバネッセント波を利用した流速分布計測法と比較して、計測分解能が4倍以上向上したことを示している。一方、ナノ流路で顕在化するナノ粒子のブラウン運動が計測に及ぼす影響を明らかにするため、ランジュバン方程式による粒子挙動の解析を実現した。次年度以降、これを用いた計測条件の検討を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画の通り、研究項目Aの超解像度分解能の検証、及び研究項目Bの計測条件の検討を進められているため、順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究を進める中で、本研究のように流路サイズに対して粒子サイズが無視できない場合の粒子輸送に関する知見が不足していることが明らかになった。そこで、共焦点顕微鏡など既存の計測法を用いて微小流路内の粒子輸送を計測し、得られる知見を本研究の計測条件検討に活用していく。
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Research Products
(4 results)