2019 Fiscal Year Annual Research Report
圧力・温度場非侵襲イメージング法の深化と移動変形物体，高温高圧場計測への展開
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19H02063
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| Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
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Principal Investigator |
亀田 正治 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70262243)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天尾 豊 大阪市立大学, 複合先端研究機構, 教授 (80300961)
中北 和之 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 航空技術部門, 主幹研究開発員 (50358595)
伊藤 輝将 東京農工大学, 学内共同利用施設等, 特任准教授 (60783371)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | 流体工学 / 流体計測 / 航空宇宙工学 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
感圧・感温塗料（PSP・TSP）と，超短パルス光源を主体とするコヒーレント反ストークスラマン散乱（CARS）分光法を活用した非定常圧力・温度場イメージング法の開発を進めた．既存の手法では測定不可能な以下の３項目をターゲットに研究を遂行した．
（１）高温環境用PSPの開発 コンプレッサのような数気圧，250℃の環境に使用可能な新しいPSPを検討した．先行研究において著しい光劣化を示したルテニウム色素陽極酸化アルミPSP（AA-PSP）に代わるものとして，ポルフィリン色素ポリマーセラミックPSP（PC-PSP）の評価を行った．その結果，AA-PSPに比して小さいものの，光劣化が生じることが分かった．（２）移動変形物体用PSP計測システムの開発 航空機翼に見られるフラッター現象のような流体・構造連成振動に対して，一つのシステムで，ステレオ撮影による物体の３次元位置同定とPSP計測が同時に実現可能なPSP塗布法を検討した．風洞実験の専門家である研究分担者（中北）と共同で，撮影システムの構築，PSP塗布法の最適化を図り，静止流体中で模型に加振を与える方法で，変形，圧力場の同時計測可能性を検証した．その結果，PSP発光輝度にドット状のむらを与えるランダムドットPSPが本目的に対して有用であることが分かった．
（３）高温高圧場 CARS計測システムの開発 自動車用エンジン内部（40気圧，2000 K）の圧力，温度場をとらえる手法として，超短パルス光源を主体とするCARS分光光学系を発展させる方法を検討した．光学系の簡素化のカギを握る，狭帯域パルス生成用光学フィルタを新たに設計した．並行して，米英を中心に開発が進んでいるSHBCと呼ばれる狭帯域パルス生成法の追試を行い，高圧場では，時間方向パルス波形の改良が必要であることが分かった．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
測定対象を乱すことなく圧力・温度場を計測するための光学的計測法を格段に深化，発展させる．感圧・感温塗料（PSP・TSP）と，超短パルス光源を主体とするコヒーレント反ストークスラマン散乱（CARS）分光法を活用した非定常圧力・温度場イメージング法の開発を進めている．計画では，３つの測定法（高温環境用PSP，移動変形物体用PSP計測システム，高温高圧場CARS計測システム）について，現状の限界をはるかに上回る測定を実用的な方法論で実現することを謳っている．
前項で示した通り，（１）数気圧，250℃の環境での利用には，PC-PSPがより適していることを見出したこと，（２)物体表面位置，圧力・温度場同時計測システムの核となるドットパターンを施すPSPの有効性を示せたこと，（３）狭帯域パルス生成用光学フィルタの設計と，SHBCによる時間非対称パルス生成の有効性を示した，という成果が得られている．
以上より，最終的な目標に対して順調に研究が進展していると判断した．
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| Strategy for Future Research Activity |
本年度の実績を踏まえて，2021年度の研究推進方策は以下の通りとする．
（１）高温環境用PSPの開発 コンプレッサのような数気圧，250℃の環境に使用可能な新しい非定常PSPとして，既往のポリマー・セラミックPSPの改良を進める．
（２）移動変形物体用PSP計測システムの開発 物体表面位置，圧力・温度場同時計測システムを流体・構造連成運動（フラッター）をともなう翼計測に応用する．前年度に開発したPSPにドットパターンを施す手法の有効性と問題点を示す．成果を日本航空宇宙学会流体力学講演会，AIAA SciTech Forumにて発表する．
（３）高温高圧場 CARS計測システムの開発 自動車用エンジン内部（40気圧，2000 K）の圧力，温度場を非侵襲かつ無標識（発光分子等のトレーサなし）でとらえる手法の開発を進める．実用時に問題となる煩雑な光学系の調整を軽減する手法として，狭帯域パルス生成用光学フィルタを設計し，基本性能の実証試験を行う．並行して進めている，SHBCと呼ばれる光パルス整形法の改良（時間非対称パルスの生成）を実証し，研究成果を国際学会
（CLEO-PR）で発表する．
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Research Products
(1 results)
