2020 Fiscal Year Annual Research Report
Clarification and model development for the interaction mechanism of solid fuels and gaseous fuels during the mixing-combustion
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19H02073
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
橋本 望 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (70392751)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 修 北海道大学, 工学研究院, 教授 (10183930)
武藤 昌也 名城大学, 理工学部, 准教授 (30466445)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 固体燃料 / エネルギーキャリア / 燃焼 / 直接数値シミュレーション / 混焼モデル / アンモニア / レーザ誘起化学蛍光法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,去年度に納入業者の都合により納入されなかったYAGレーザを改めて購入し,2次元レーザ誘起蛍光法(LIF)システムのセットアップを行った.セットアップした2次元LIFシステムにより,世界で初めて乱流場におけるアンモニア/微粉炭混焼火炎の伝播中の多環族炭化水素(PAHs)の空間的な分布計測を行った.OHラジカル自発光計測により得られた画像と慎重に比較・検討した結果,伝播火炎の予熱帯域において,微粉炭粒子から揮発分が放出されていることが明らかとなった.これにより,アンモニア/微粉炭混焼火炎伝播において,予熱帯における微粉炭粒子からの揮発分放出が火炎伝播速度に大きく影響していることが確かめられたこととなる.これは,本研究課題の核心を成す問いである「固体燃料粒子とガス燃料はどのような相互作用メカニズムによって,火炎伝播特性に影響を与えているのか?」に対して本質的な答えが導き出されたことを意味し,非常に大きな成果が得られた.また,単分散粒子径を持つPMMA粒子を用いた火炎伝播実験により,30ミクロン程度の粒子径の粒子を用いた実験であれば,シュリーレン法によって詳細な火炎形状の観察が可能であることを見いだした.PMMA粒子を用いた火炎伝播実験の結果から,固体燃料粒子が乱流中の火炎伝播に大きな影響を与えること,また,10ミクロン以下の小さい粒子は粒子同士の凝集効果が火炎伝播速度に大きな影響を与えることが明らかになった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で記述したように,本年度は本研究課題の本質的な問いである「固体燃料粒子とガス燃料はどのような相互作用メカニズムによって,火炎伝播特性に影響を与えているのか?」に対して本質的な答えが導き出された.また,PMMA粒子を用いた火炎伝播実験から,当初計画にはなかった成果も得られており,当初計画以上に進展していると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,2次元LIFセットアップを最適化し,固体燃料粒子から放出される揮発分のより詳細で明確な分布画像の取得を目指すとともに,様々な条件および様々な固体燃料粒子を用いた際のデータを取得することにより,条件や固体燃料の種類が固体燃料粒子とガス燃料の相互作用に与える影響を解明する.また,固体燃料粒子とガス燃料の相互作用をモデル化し,現象を再現できる数値シミュレーション技術の確立を目指す.
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Research Products
(12 results)