2020 Fiscal Year Annual Research Report
Fundamental elucidation of nonlinear interaction during combustion oscillations
Project/Area Number |
19H02085
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
後藤田 浩 東京理科大学, 工学部機械工学科, 准教授 (00434712)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 燃焼 / 熱工学 / 複雑ネットワーク / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では, 複雑ネットワークや同期現象などを取り扱う先進的な複雑系科学の基礎理論を導入し, 燃焼振動の時空間ダイナミックスと非線形相互作用の基礎的解明を主目的とする. また, 機械学習を用いた燃焼振動の新しい予兆検知法を提案し, 本研究の工学的な応用展開の可能性を明らかにすることも目的とする.
本年度では, 以下の5点を明らかにした. (1) 速度場の乱流ネットワークを次元圧縮させた動的ネットワークに着目し, その軌道(周回軌道)の形状変化から燃焼振動の抑制過程を明らかにした. (2) 火炎基部への二次空気噴射による乱流ネットワーク内のprimary hubの消失が燃焼振動の抑制に重要な役割を演じていることを明らかにした. (3) 速度変動のマルチスケールエントロピーから得られるcomplexity indexによって, 燃焼振動の抑制過程における速度変動の乱雑度の増加を明らかにした. (4) 位相空間内の軌道不安定性に基づく非線形予測法(convergent cross mapping)と符号化された移動エントロピーを用いて, 燃焼振動の抑制過程における発熱率変動と圧力変動の因果関係を明らかにした. (5) 発熱率変動と圧力変動から構築された推移ネットワークと教師無し学習の一つである自己組織化マップを組み合わせた方法論が, 燃焼振動の予兆検知と回避に有用であることを明らかにした.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要と研究業績で示されるように, 本年度の研究計画もおおむね順調に進んでいる. 特に, 位相空間内の軌道不安定性に基づく非線形予測法(convergent cross mapping)を用いて, 燃焼振動の抑制過程における発熱率変動と圧力変動の非線形相互作用の一端を明らかにした.
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度では, 燃焼振動の抑制過程における非線形相互作用にさらなる検討を加えた. また, 昨年度までに提案したJensen-Shannon複雑さ解析とサポートベクトルマシーンを組み合わせた方法論に加えて, 推移ネットワークと自己組織化マップを組み合わせた方法論も, 燃焼振動の予兆検知と回避法の一つとして有用であることを明らかにした. 次年度では, 本研究グループによって新しく提案した重み無し熱音響源ネットワークの次数分布とクラスター係数を見積もり, 燃焼振動の抑制過程における時空間ダイナミックスにより詳細な検討を加えていく方針である.
|
Research Products
(8 results)