2020 Fiscal Year Annual Research Report
3D動的力学刺激環境制御によるニューロンのアクティブ再生移植制御・シミュレータ
Project/Area Number |
19H02089
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
小沢田 正 山形大学, 大学院理工学研究科, 教授 (10143083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馮 忠剛 山形大学, 大学院理工学研究科, 准教授 (10332545)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | iPS細胞の分化・成長誘導制御 / 3次元ゲル包埋培養 / 3次元神経回路網 / 超小型3次元振動ステージ / ニューロン簡易移植モデル / 3次元動的力学刺激環境 / 移植性促進法 / in vitro移植シミュレータ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,iPS細胞を用いた再生移植治療に貢献するため,生きている培養細胞に対し,3次元動的マイクロ力学刺激環境を自在に付加可能な超小型3次元振動ステージ・アクチュエータシステムを開発し,これにゲル包埋3次元培養法を組合せ,これまでとは全く異なる機械力学的原理に基づくiPS細胞から神経細胞への分化誘導,3次元ニューロンネットワーク構築,さらにこれらを統合した3次元ニューロンのアクティブ再生移植制御・in vitro(培養ディシュ内)シミュレータの開発に挑戦する。これにより,最近開始されつつある重篤な神経系疾患への神経細胞再生移植治療を強力に支援する画期的システムへの展開を目指す。 立体π/2ねじれバイモルフカンチレバーを用いた3次元振動ステージシステムを開発・改良し,これまでより大変位化,広帯域化の可能性を見出した。また,コラーゲン・ゲルを用いた「ゆるやかな足場」による神経細胞3次元包埋培養法の確立に近づいた。ただし,蛍光観察の鮮明性には依然として難点が存在するため,ゲル濃度の調整・最適化による改善が必要である。この包埋培養ディッシュを開発した超小型3次元振動ステージ上に設置し,3次元動的力学刺激を組織的に制御・作用させることにより,ニューロンネットワークの3次元化を段階的に誘導する手法を開発中である。また得られた3次元ニューロンネットワーク組織を「Neurolucida 360」を用い,3次元的かつ多角的に解析する手法を開発中である。 誘導される3次元中枢神経回路網を用いて,脊髄損傷再生移植治療を模擬するin-vitro移植モデルを新たに構築中である。今後,開発した3次元振動ステージを用い,移植施術後のニューロンの生着性,連結融合性を促進する最適な3次元動的力学刺激環境の同定をめざす。 。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
超小型圧電3次元振動ステージスシステムの構築と最適化を行った。立体π/2ねじれバイモルフカンチレバー状に加工した振動子に,直交2軸方向それぞれの変位が制御できるように2箇所に複数の圧電素子を接着し製作する手法を考案し,可動,実用性を確認した。培養ディシュをπ/2面内回転させることで実質3軸方向に刺激付加可能であることを確認した。これらの改善により,これまでより大変位化,広帯域化の可能性を見出した。これらのデバイスをCO2インキュベータ内に組込み制御することにより,種々の3次元動的力学刺激環境下で組織的に培養コントロールを行うことができるシステムの構築を行った。また新たに3次元インターバル刺激切替制御装置を開発し,振動付加時間やインターバル,方向をコンピュータ制御可能とした。 コラーゲン・ゲルを用いた「ゆるやかな足場」によるヒト神経細胞3次元包埋培養法の確立に近づいた。ただし,蛍光観察の鮮明性には依然として難点が存在するため,改善が必要である。この包埋培養ディッシュを上記の超小型3次元振動ステージ上に設置し3次元的力学刺激を組織的に作用させることにより,ニューロンネットワークの3次元構築を段階的に誘導する手法を開発中である。また3次元解析ソフト「Neurolucida 360」を用い,ニューロンネットワークの3次元的かつ多角的評価の確立を目指している。 以上のシステムにより,ヒト神経細胞について,長時間振動刺激あるいはインターバル振動刺激を付加することで,運動神経細胞への分化・成長が促進されることが明らかになった。また,脊髄損傷再生移植治療を模擬するin-vitro移植モデルを新たに構築中である。
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Strategy for Future Research Activity |
3次元振動ステージスシステムを用いた力学刺激付加デバイスの性能向上をある程度図ることができた。今後はこれを利用し,比較的培養が容易なマウスiPS細胞(APS0001)を用いた先導研究を行いつつ,そのノウハウの蓄積に基づきヒトiPS細胞(HPS0002)の神経細胞への力学刺激によるニューロンのネットワーク構築・制御法開発を目指す。さらに,コラーゲン・ゲル包埋培養時の染色観察の精度向上および移植モデル構築に向けたゲル構造最適化,モデル設計・試作,力学刺激付加デバイスのさらなる性能向上をも目指す。 特に今年度の具体的な実験研究では,iPS細胞から分化誘導された神経細胞の種々の力学刺激に対する反応や挙動を精査,検証し,3次元ニューロンのネットワーク構築・制御に最適な動的力学刺激環境の探索・確定を目指すものとする。また得られた組織を「Neurolucida 360」を用い,3次元的かつ多角的に解析する手法の確立を目指す。 一方,誘導される3次元ニューロンネットワークを用いて,脊髄損傷再生移植治療を模擬するIn-vitro移植モデルを新たに構築し,その妥当性についての評価・検証を行う予定である。すなわち,開発した3次元振動ステージを用い,移植施術後のニューロンの生着性,連結融合性ならびに機能回復を促進する最適な3次元動的力学刺激環境の同定をめざす。
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Research Products
(6 results)