2021 Fiscal Year Annual Research Report
ロケットターボポンプのロータダイナミクスの半解析的流体振動連成解析技術の開発
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19H02095
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
井上 剛志 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (70273258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安達 和彦 中部大学, 工学部, 教授 (30243322)
川崎 聡 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 研究開発部門, 研究領域主幹 (30839105)
神谷 恵輔 愛知工業大学, 工学部, 教授 (50242821)
堀口 祐憲 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (60314837)
高木 賢太郎 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60392007)
内海 政春 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 教授 (60727634)
藪井 将太 東京都市大学, 理工学部, 准教授 (90800756)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 振動解析・試験 / 推進・エンジン |
Outline of Annual Research Achievements |
下記の課題に関して実施した. 課題Ⅰ(ロケットターボポンプの曲げ振動挙動の本質的な流体振動連成解析の理論構築)については,ターボポンプの基本構成要素として続けてシールに着目し,そのRD流体力の流体振動連成解析モデルを構築した.入口出口領域を考慮した非定常振れ回り状況下のCFD 解析を多数実施することに加えバルクフロー解析手法の構築も実施し,RD流体力解析部分の精度向上を進めた.とくにテーパがある場合についてCFDに基づく予旋回係数と入口出口損失係数を求め,それらを考慮した流体解析部分を用いた連成解析手法の開発を行い,実験と比較し考察した. 課題Ⅱ(ロケットターボポンプの軸方向振動の本質的な流体振動連成解析の理論構築)については,初年度で一応の目標を達成しており今年度は実施しなかった. 課題Ⅲ(各種ターボ要素の流体振動連成特性の実験的検証)については下記の2項目を実施した. 課題Ⅲ-1:RD流体力を調べるロータダイナミクス試験装置の開発を行い,適応制御を組み込んだ制御系の工夫を行い,同心円軌道の場合,静的偏心がある場合,複数周波数の軌道の場合の軌道追従制御とRD流体力の推定を達成し,CFD結果と比較した. 課題Ⅲ-2:インデューサにおける旋回キャビテーションから付着非対称キャビテーションへの遷移を調べるための連成解析コードの開発を進めた.ただし,旋回キャビテーションから付着非対称キャビテーションへの遷移の観察と考察には至ることができなかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
解析については,課題の中心である「周方向の周期性に着目した半解析的流体振動連成手法」に取り組むためのロータ系およびRD流体力の解析技術の準備は完了した.また,軸方向振動についても解析を達成した.RD流体力の評価のための実験装置と評価手法も完成した.また,インデューサにおける旋回キャビテーションから付着非対称キャビテーション遷移現象についてもその解析手法の開発は順調に進んでいる.しかし,「周方向の周期性に着目した半解析的流体振動連成手法」への着手が遅れており,来年度はここに集中的に取り組む.
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Strategy for Future Research Activity |
課題Ⅰ-1:RD流体力の周方向の周期性に着目した半解析的2次元CFD解析:平行環状シールのRD流体力の半解析的2次元CFD解析手法の開発に着手する.その結果の妥当性は,課題Ⅲの実験とCFDソフトウェアを用いた解析により検証する. 課題Ⅰ-2:2次元CFDを用いたインペラのRD流体力の特性解析:シール以外の対象として,インペラの解析にも着手する.こちらもCFDソフトウェアを用いた解析により検証する. 課題I-3:インデューサにおける旋回キャビテーションから付着非対称キャビテーションへの遷移解析:シール以外の対象として,インデューサの解析にも着手する.こちらは1D-CAEモデルと2次元翼列モデルの連成解析を昨年度からのものをさらに発展させて実施し,翼間流れについてはCFDソフトウェアを用いた解析により検証する. 課題Ⅲ-1:ロータダイナミクス試験装置(名大)を用いた実証実験の精度改善:平行環状シールについての実験を継続し,軌道追従精度を0.5μm以下で実現し,さらに大振幅,大静的偏心下のRD流体力の推定を行う. 課題Ⅲ-2:連成振動試験装置(名大)を用いた実証実験:平行環状シールを取り付け,流体要素近傍の変位(変位センサ)を計測して課題Ⅰの流体振動連成解析の実証実験を行う.
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Research Products
(7 results)