2019 Fiscal Year Annual Research Report
Real-time SLAM for Dynamic Environments
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19H02098
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
野中 謙一郎 東京都市大学, 工学部, 教授 (30298012)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関口 和真 東京都市大学, 工学部, 准教授 (80593558)
大貝 晴俊 早稲田大学, 理工学術院(情報生産システム研究科・センター), 教授 (80367169)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | SLAM / MHE / 実時間最適化 / 動的環境 / モデル予測制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は核となるMHE(moving horizon estimation)に基づくSLAM(simultaneous localization mapping)の理論・アルゴリズムの構築と,屋内環境及び市街地での検証に向けた実験システムの構築に取り組んだ.具体的な成果は下記の通りである. (A) 理論・アルゴリズム構築(野中):2次元点群データを用いた動的環境における線分ベースのMHE-SLAMのアルゴリズムについて,線分方向へ移動成分の速度推定精度の劣化が大きいことを確認し,改善するためのアルゴリズムの改良に取り組んだ.これに併せて端点の追跡精度を改善することを目的に特徴点追跡アルゴリズムを検討し,人工ポテンシャル場による手法と確率的データ結合をMHEに取り入れた手法の構築に成功した.前者は学会で発表し,後者は雑誌論文に投稿して採択された.またMHE-SLAMについて,3次元の点群データに拡張したプログラムを作成した. (B) 電動車いすによる屋内環境での検証(関口・野中):LiDARを搭載した電動車いすに3次元点群データに対する平面ベースのMHE-SLAMを実装し,自己位置と壁の推定を行った.その推定精度はモーションキャプチャシステムの計測結果と比較して定量的に評価した. (C) 乗用車による市街地での検証(大貝・野中):実験用の自動車に全方位LiDARを搭載し,従来手法によるSLAMシステムを構築した.そして基礎的な走行試験を通じてその精度と周囲の移動体の検出精度を確認した.さらにこの結果を踏まえて,近距離の物体検出と周囲の点群密度改善のために実験車両に2台のLiDARを搭載したシステムを構築した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
MHEによる動的SLAMの推定プログラムは開発したが,計測精度が低下する線分方向の移動の影響による速度推定精度の劣化が想定したよりも大きいことが判明した.これを解決するためにMHEによる特徴点追跡アルゴリズムを開発した.一方で静的環境における3次元のMHE-SLAMシステムは構築し,電動車いすの実験で基礎的な検証は終えている.このため,2020年度には動的3次元環境での実験システムを構築できるものと考えている.乗用車による実験については,車両にLiDARを搭載した実験システムを予定通り構築した.一方で年度末は感染症対策で実機を用いた開発が制限された.このためプログラムの実時間高速化等の実装に関わる研究は2020年度にも実施する必要が生じた.
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は核となるMHE-SLAMの理論・アルゴリズムの拡張と,屋内環境及び市街地での基礎的な検証に取り組む.具体的には下記の通りとする. (A) 理論・アルゴリズム構築(野中):点群データを用いた動的環境におけるMHE-SLAMの3次元化を完成させる.そして電動車いすに搭載したLiDARによるシステムに実装してその性能を検証する.この際には移動体の追跡精度を改善するために,確率的な手法によるクラスタリングと追跡のアルゴリズムをSLAMに統合する. (B) 電動車いすによる屋内環境での検証(関口・野中):LiDAR搭載の電動車いすに3次元点群データに対する平面ベースの動的なMHE-SLAMを実装する.計算処理の高速化のために,分散並列計算を用いた高速化に取り組み,推定性能の検証を行う.さらに,モーションキャプチャシステムの計測結果と比較した評価を行う. (C) 乗用車による市街地での検証(大貝・野中):LiDARを2台搭載した実験用の自動車によるSLAMのシステムを構築する.そしてMHE-SLAMを実装して,リアルタイム推定性能を検証する.さらに走行試験を通じて,周囲の移動体の推定精度の基礎的な検証を行う.
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Research Products
(2 results)