2019 Fiscal Year Annual Research Report
Creation of tube type self-excited vibration system and its application to the traveling wave type flexible mobile robot
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19H02105
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
塚越 秀行 東京工業大学, 工学院, 准教授 (50313333)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ソフトアクチュエータ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、空圧エネルギーで誘発される自励振動現象に着目し、アクチュエータの内圧を自動的に切換えるチューブ形振動子を導入して、スリムな空圧駆動系の設計手法の構築を目指す。その初年度の研究として、今年度はチューブ形振動子の振動特性の解析および設計方法の確立を目標とした。 まず、自励振動の切換圧力および周波数を決定づける振動子の設計パラメータの解析を行った。切換圧力を定める物理量として、永久磁石の吸着力・振動幅・および偏平チューブの受圧面積に着目し、それらの関係を数理的に明らかにした。また、これまでの予備実験により、供給圧力が変動しても、(1)切換圧力は設定値を維持できること、(2)供給圧力が高くなると流量が増すため振動数も増えること、などを確認済みであった。これらの知見をもとに、偏平チューブの設計パラメータ(長さ・幅・粘性係数)、拘束部における拘束具合の影響が振動条件に与える影響を実験的に明らかにした。その結果、磁石を離脱させる切替圧力は、当初の予想と反し、単に磁石の吸着力とチューブの長さ・幅だけでなく、チューブ両端を拘束する距離によっても影響されることが明らかとなった。 次に、チューブ形振動子の設計方法の確立に挑んだ。自励振動の目標切換圧力と目標周波数が与えられたとき、磁石の吸着力・チューブの長さ・幅・拘束距離を定める設計のアルゴリズムを構築した。本手法をもとに試作したバルブは、目標値から5-15%程度の誤差はあるものの、概ね目標と動作を生成できることが実験的に明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
切替圧力の設定に影響を及ぼす設計パラメータに関して、当初の予想とは異なる結果が生じたものの、年度初めに掲げた研究項目を9割程度実施することができたから。
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Strategy for Future Research Activity |
nポート(n≧3)に接続可能な構成への展開 3個以上の空圧アクチュエータに自励振動を生成するための振動子を検討する予定である。具体的には、まず新たな振動子として、1つ前のステップで駆動されるアクチュエータの内圧を検知する構成を導入する。本構成により、当該アクチュエータの内圧上昇がトリガとなり、次のステップのアクチュエータが加圧されると期待できる。また、上記振動子を30mm立方内の小型サイズに収めるため、チューブの積層構造による実現を図る。さらに、螺旋状チューブアクチュエータと上述の振動子の融合により、進行波を生成可能なことを実験的に確かめる。そして、k進行波の進行方向の反転機能も有する高機能型チューブ振動子の開発を目指す。
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