2019 Fiscal Year Annual Research Report
ピーク電力カットと回生電力量増加のための電気車駆動系の革新的な設計法と運転法
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19H02133
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
近藤 圭一郎 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (10425895)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古関 隆章 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (20211899)
宮武 昌史 上智大学, 理工学部, 教授 (30318216)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 誘導電動機 / 鉄道車両駆動 / インバータ / ピーク電力カット / 省エネルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
<技術検討について> 初年度であることから,これまでの鉄道車両駆動におけるパワーエレクトロニクス技術を用いた交流電動機駆動の技術的変遷について調査を行い,今後の駆動システムの技術動向について調査を行った。その結果,方向性の一つとして,電力変換装置と電動機を一体化ものが考えられる。また制御面では,省エネルギー化と併せてピーク電力カットも重要であることがわかった。 誘導電動機の装荷配分変更による,ピーク電力カット手法については,低すべり化が一手法となるが,これについて検討を行った。一つは,装荷配分を変更することで,寸法制約の範囲で出力最大化を行うことを想定し,磁気等価回路に基づいた解析的な設計法の有用性を検討した。その結果,本研究においても本手法が有効であることが分かった。また一方で電磁界解析による方法に備えて,既存のミニモデル用電動機について,詳細な解析モデルの導出も実施した。 また併せて,回生ブレーキ力を有効利用する最適なランカーブの構成についても基礎検討を行った。 <実験装置について> 実験装置については,検討を進めてきたが,令和元年12月時点で,ミニモデル実験装置に用いる誘導電動機として,当初想定した仕様を満たすものが見当たらないことが分かった。そこで,再度を行い,既存の誘導電動機でも検証ができるものの選定のための技術検討を実施した。そのため,設計,製作に当初,4か月の遅れが生じ,令和2年7月に完成の予定であった。しかし,さらに新型コロナウイルス感染拡大対策のため,研究室活動や製作先の活動が断続的となり,最終的には令和3年2月に完成した。その後,動作確認などを行い,無事に竣工となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概要に記載の通り,繰り越し予算の執行を行った時点で,ほぼ予定通りに達成された。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続き,速度-回生力特性を実現する上で必要な誘導機の制御法を明らかとする。また,その制御法を含め,これまでの検討結果について,1kWクラスのミニモデルを作成し速度-回生力特性および制御特性を検証する。また,上智大学で検討している省エネルギー効果を最大化するランカーブを評価するためのリアルタイムシミュレータを構築する。これにより,提案方式の効果の明確化と,実装上の課題の明確化を行う。 前年度までに検討した結果した,定出力領域を拡大した誘導電動機の設計法の検討結果に基づき, 1kWクラスのミニモデル用誘導機の設計・試作を行い,速度-回生力特性および制御特性と併せて誘導機性能を検証する。これにより,提案方式の効果の明確化と,実装上の課題の明確化を行う。 力行時も含めた,回生ブレーキのみによる停止時の消費エネルギー最小となる最適ランカーブの検討と,その具体的な運転支援方法を検討する。また,早稲田大学と共同でリアルタイムシミュレータによる評価を行う。 上記に加え,各機関で共同して実車へ適用した場合の,最終的な省エネルギー効果とピーク電力低減効果の評価を行う。これにより,提案方式の効果の明確化と,実装上の課題の明確化を行う。
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Research Products
(2 results)