2019 Fiscal Year Annual Research Report
Study on High Sensitivity Human Body Communication Based Bio-Sensor for Wireless Control of Wearable Robot
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19H02139
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
王 建青 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70250694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 元志 秋田大学, 理工学研究科, 准教授 (50261649)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 通信工学 / 人体装着ロボット / ワイヤレス制御 / 人体通信 / 電磁両立性(EMC) |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、人体装着ロボットのワイヤレス化で、耐電磁ノイズ型生体センサー部と人体通信部の一体化技術の研究開発である。本年度では、 (1)生体センサーの一対の検出電極と人体との接触抵抗間のアンバランスが、コモン・モードノイズのモード変換を引き起こし、生体センサーに電磁ノイズとして重畳するノイズ発生機構を理論的に定式化でき、耐電磁ノイズ型生体センサーの設計指針としては如何にこのアンバランスを解消するかを導出した。 (2)接触抵抗間のアンバランスの評価指標として、差動増幅器前段両入力間の電圧のアンバランスを用いることを提案した。そして、検出電極と差動増幅器の間に可変抵抗としてディジタルポテンショメータを用い、アンバランスを解消できる電磁ノイズ自動キャンセル回路を設計・試作し、その有効性を実験的に検証した。 (3)脳波信号と手の動きとの相関を測定し、脳波検出箇所(センサー配置箇所)の検討を行った。 (4)人体通信の人体装着型ロボットのワイヤレス制御への適用を検討した。10~60MHz微弱無線を利用した広帯域インパルス・ラジオ方式を採用し、複数のパルスで1ビットを表すマルチパルス位置変調(MPPM)方式を考案した。実験的に検証した結果,筋電や脳波信号の多チャンネル検出と10Mbpsのワイヤレス伝送に対応でき、高速化・低遅延化ワイヤレス制御の可能性を明らかにした。 これにより、高感度な人体通信型生体センサーの基本構成を明らかにでき,その回路設計を完成した。なお、(2)の電磁ノイズ自動キャンセル回路は、電子情報通信学会EMCJ研究専門委員会主催のEMC対策設計コンテストで特別賞を受賞し、高く評価された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の実施計画では、①人体装着ロボットを制御するための耐電磁ノイズ型生体信号センシング技術の確立と、②高信頼・高速ワイヤレス制御のための広帯域人体通信技術の確立の2つの項目を立てている。そして項目①については、生体センサーにおける電磁ノイズ発生機構の理論的解明、及びその電磁ノイズをキャンセルし、高感度で脳波及び筋電信号を検出できるセンサー回路を確立することを目標として挙げていた.その結果、研究実績の項目でも述べたように、理論的定式化と回路試作・検証ができ、しかも試作回路はEMC対策設計コンテストで特別賞を受賞し、高く評価された。 また、項目②については、研究実績の項目でも述べたように、通信品質,制御品質,対ノイズ耐性,回路規模の多角的視点からの検討を基に,脳波また筋電信号を用いた人体装着ロボットのワイヤレス制御に適する10~60MHz微弱無線帯を利用した広帯域インパルス・ラジオ型人体通信方式を考案した。そして、10Mbpsの高速伝送を実現できることを明らかにし、高感度な人体通信型生体センサーの回路構成を明確にでき,回路設計を完成した.この成果は、電子情報通信学会英文論文誌に招待論文として掲載され、国際会議基調講演にも招待された。 以上により、研究は予定通り順調に進んでおり、成果を確実に挙げている。
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Strategy for Future Research Activity |
①人体装着ロボットを制御するための耐電磁ノイズ型生体信号センシング技術の確立 前年度に、生体センサーに重畳する電磁ノイズの発生機構が、生体信号検出電極と人体間の接触抵抗のアンバランスによるものであることを解明し、それを自動キャンセルする回路の有する生体センサ―を試作した。今年度では、試作の生体センサ―を用いて、筋電、脳波信号の検出実験を行い、耐電磁ノイズ性能の向上効果を検証する。 ②高信頼・高速ワイヤレス制御のための広帯域人体通信技術の確立 (1)前年度に検討した10~60MHz微弱無線を利用した広帯域インパルス・ラジオ型人体通信方式を実現する通信モジュールを試作する。 (2)人体装着ロボットのワイヤレス制御への人体通信の適用に向けて、生体信号検出電極と送信電極を時分割で共用する方式を通信モジュールに実装する。 (3)今年度試作した通信モジュールを、前年度試作した生体センサーと一体化し、人体装着ロボットの一例として筋電義手を対象に、ワイヤレス制御の動作確認を実施するとともに、電磁ノイズに対する耐性も評価する。
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