2019 Fiscal Year Annual Research Report
条件付き相互情報量規範適応量子化に基づく信号処理設計と深層学習を用いた無線通信
Project/Area Number |
19H02142
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大槻 知明 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (10277288)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊田 健太郎 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 訪問助教 (60723476)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | BPアルゴリズム / Polar符号 / BP復号 / パイロット汚染 / Massive MIMO |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,無線通信路に適した適応量子化及び量子化情報に基づく信号処理設計と,深層学習に基づくパラメータ最適化・入力推定を用いた超大容量・超低遅延・超低消費電力無線通信の実現を目指す. 2019年度は, 現在,5Gの制御チャネルで用いられているPolar符号に対して,復号アルゴリズムの一つである信頼度伝搬(BP: Belief Propageation)復号に着目した.Polar符号のBP復号に対し,受信信号と量子化信号間の条件付き相互情報量を最小化し,入力信号と量子化信号間の条件付き相互情報量を最大化する量子化方法を検討した.基本特性を計算機シミュレーションにより検討した.その結果,提案復号アルゴリズムが量子化誤差を低減しながら優れた復号特性を達成することを確認した.その結果を,電子情報通信学会無線通信システム研究会 (RCS)及び映像情報メディア学会放送技術研究会 (BCT)にて発表した.また,5Gや5G以降の無線通信システムでも有望な技術と考えられているMassive MIMO について,低演算量で優れた検出特性を達成するBP アルゴリズムに基づく信号検出法について検討した.BPアルゴリズムの検出特性を改善するパラメータであるダンピングファクターについて,深層学習を用いることで繰り返しごとに適した値を見つけ,それを適用することで検出特性を改善した.さらに,Massive MIMOを用いる際に問題となる,通信路状態推定のため既知信号系列(パイロット系列)の複数セルにおける再利用による通信路状態推定劣化(パイロット汚染)について,深層学習を用いることでパイロット汚染の影響を低減し通信路状態推定精度を改善する通信路状態推定法を提案し,その有効性を確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では,無線通信路に適した適応量子化及び量子化情報に基づく信号処理設計と,深層学習に基づくパラメータ最適化・入力推定を用いた超大容量・超低遅延・超低消費電力無線通信の実現を目的としている.2019年度は, 現在,5Gの制御チャネルで用いられているPolar符号に対して,復号アルゴリズムの一つである信頼度伝搬(BP: Belief Propageation)復号に着目し,受信信号と量子化信号間の条件付き相互情報量を最小化し,入力信号と量子化信号間の条件付き相互情報量を最大化する量子化方法を開発した.また,Massive MIMO について,低演算量で優れた検出特性を達成するBP アルゴリズムに基づく信号検出法について検討した.さらに,Massive MIMOを用いる際に問題となる,通信路状態推定時のパイロット汚染について,深層学習を用い推定法を提案した.このように,概ね順調に進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
上記したように,2019年度は, 5Gやそれ以降の無線通信で用いられる主要技術について,種々の問題点を解決する方法をそれぞれ提案することに成功した.さらに,解析や評価を進め,深層学習の構造の検討などを通じて特性改善に取り組む予定である.その際,計算機シミュレーションにより無線通信環境と深層学習に基づくアルゴリズムを実装評価する方針である.
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Research Products
(7 results)