2021 Fiscal Year Annual Research Report
条件付き相互情報量規範適応量子化に基づく信号処理設計と深層学習を用いた無線通信
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19H02142
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大槻 知明 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (10277288)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊田 健太郎 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 訪問助教 (60723476)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 深層学習 / 転移学習 / 変調識別器 / CSIフィードバック / FDD |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,無線通信路に適した適応量子化及び量子化情報に基づく信号処理設計と,深層学習に基づくパラメータ最適化・入力推定を用いた超大容量・超低遅延・超低消費電力無線通信の実現を目指す. 2021年度は,例えば複数の無線通信システムが混在するcognitive環境において,通信システムの変調方式を特定する深層学習に基づく軽量の変調識別器を設計した.計算機シミュレーションに基づく評価の結果,提案法は軽量でありながら,優れた識別特性を得られることを確認した.また,FDD (Frequency Division Duplex) 方式を用いたシステムでプリコーディングやMIMO (Multiple-Input Multiple-Output)信号検出などに用いる通信路状態情報(CSI: Channel State Information)を基地局で得る方法として,CSIのフィードバック法がある.このCSIフィードバック法に対し,フィードバック情報量を削減しながら高い精度を達成する方法として,転移学習を用いた手法を提案した.転移するモデルのソースデータとして,例えば5G(第5世代位相通信システム)で規定されている通信路モデルを用いて,転移学習を用いることで他の通信路モデルに対し小量のデータを用いるだけで,優れた精度を達成することを示した. これらの深層学習に基づく手法を用いることで,大容量・低遅延・低消費電力化が期待される.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記したように,深層学習に基づく種々の信号処理を開発することに成功した.これらの成果は,世界的に権威のあるIEEEの論文誌に複数採択されるなど,多くの成果を挙げている.これらの結果からも,研究は順調に進んでいることが確認できる.
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Strategy for Future Research Activity |
上記したように,2021年度はFDD方式を用いたシステムでプリコーディングやMIMO信号検出などに用いる通信路状態情報(CSI)を基地局で得る方法であるCSIフィードバック法に対し,フィードバック情報量を削減しながら高い精度を達成する方法として,転移学習を用いた手法を提案した.転移学習を用いることで小量のデータを用いるだけで,優れた精度を達成することを示した.今年度は,それらの改善法として,情報の圧縮と量子化を統合して,最適なビット配分を設定することでさらなるフィードバック情報量の低減に取り組む予定である.
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