2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of novel optical probe current sensor for in-situ current measurement of power circuit
Project/Area Number |
19H02152
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
曽根原 誠 信州大学, 学術研究院工学系, 准教授 (30456496)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 敏郎 信州大学, 学術研究院工学系, 教授 (50283239)
宮地 幸祐 信州大学, 学術研究院工学系, 准教授 (80635467)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 磁界センサ / 磁気光学効果 / 磁性材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、電源回路の高効率化と安全性を高めるため電源回路のパワーデバイスの端子に流れる電流をリアルタイムにin-situで測定できるFaraday効果利用型光プローブ電流センサを開発することが目的で項目①~⑤の研究を進めている。 『項目①:高Faraday回転角θF、均一グラニュール粒形・分散をもつFeCo-MgF2グラニュラー磁性膜の開発』において、19年度のFeCo-BaF2膜でθF≧1°/μmの目標に対しては-1.5°/μmで目標を上回ったが、本センサで重要な透過率Tを高くできなかった。そこでCo-MgF2膜に再度変更し、ポストアニール処理を施すことで、透過率を高くできた。また性能指数FOM(=|θF|/(-10log10T)を新たな指標として進めたところ同磁性膜は0.29°/dBとなり従来より約1.3倍FOMが増大した。『項目②:Ru下地層/グラニュラー磁性膜の光ファイバ端部研磨面への成膜技術の確立』に関しては、19年度の報告の通り高センサ感度化の空間伝搬光方式を新たに採用したため、本項目の技術は不要になった。『項目③:磁性微粒子分散複合材料を用いた極小集磁ヨークの開発』に関しては、19年度中にセンサ感度を約12倍高くなった。S/N比の検討はセンサ構成後でないと厳密に評価できないため21年度に実施予定である。『項目④:光-電気変換及びダウンコンバージョン方式AD変換回路の開発』に関しては、19年度中に考案した容量型TIAを0.18mm-CMOSプロセスで試作し、ゲインが86dBΩからの-3dB帯域が80kHzであり、概ね目標通りの結果になった。 『項目⑤:高θF FeCo-MgF2グラニュラー磁性膜を用いた光プローブ電流センサシステムの開発と実証試験』に関しては、センサヘッドを光ファイバ径約0.1mmまで小型化でき、21年度中に電源回路の電流測定を実施予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
『項目①:高Faraday回転角θF、均一グラニュール粒形・分散をもつFeCo-MgF2グラニュラー磁性膜の開発』において、FeCo-BaF2膜(19年度)でθF≧1°/μmの目標に対し-1.5°/μmで目標を上回ったが、透過率を高くできなかった。そこでCo-MgF2膜に再度変更し、ポストアニール処理を施すことで、透過率を高くすることができた。また性能指数FOMを新たな指標として進めたところ研究期間以前は0.22°/dB、FeCo-BaF2膜(19年度)は0.23°/dBであったが、ポストアニール処理Co-MgF2膜では0.29°/dBとなり約1.3倍が増大した。飽和磁化の増大・保磁力の低下については大幅に改善できなかったが、センサの実用化にはFOMの増大の方が寄与するため、20年度中にセンサへの適用を検討し始めた。21年度も引き続き磁性膜の改善も図る。 『項目②:Ru下地層/グラニュラー磁性膜の光ファイバ端部研磨面への成膜技術の確立』に関しては、研究実績の概要に記載の通り不要になった。空間伝搬光方式により、周囲温度の変化に対しセンサ出力が安定することが新たな知見として得られ、学会発表でも高い評価を得た。 『項目③:磁性微粒子分散複合材料を用いた極小集磁ヨークの開発』に関しては、研究実績の概要に記載の通りである。 『項目④:光-電気変換及びダウンコンバージョン方式AD変換回路の開発』に関しては、19年度においてDCオフセットの補正機構を備え、不要な帯域のノイズを除去できるAFE回路を導入した容量型TIAを考案した。20年度に0.18mm-CMOSプロセスで試作し、ゲインが86dBΩからの-3dB帯域が80kHzであり、概ね当初目標通りの結果が得られた。 以上より、一部課題は残るものの、センサの開発が大幅より進んでいて高い成果が得られていることから、進捗状況は順調と判断する。
|
Strategy for Future Research Activity |
21年度は、前年度までの『項目①:高Faraday回転角θF、均一グラニュール粒形・分散をもつFeCo-MgF2グラニュラー磁性膜の開発』、『項目②:Ru下 地層/グラニュラー磁性膜の光ファイバ端部研磨面への成膜技術の確立』、『項目③:磁性微粒子分散複合材料を用いた極小集磁ヨークの開発』、『項目④:光 -電気変換及びダウンコンバージョン方式AD変換回路の開発』が概ね達成できたため、既に前倒しで始めているが、『項目⑤:高θF FeCo-MgF2グラニュラー磁性膜を用いた光プローブ電流センサシステムの開発と実証試験』に関して、センサヘッドを光ファイバ径約0.1mmまで小型化できたセンサを用いて、電源回路の電流測定を実施予定である。
|
Remarks |
2019年度に日本磁気学会学術講演会で発表した「高い温度安定性を有するリング干渉方式光プローブ電流センサの基礎検討」(発表者:古屋 一輝,曽根原指導学生)に対して、学生講演賞(桜井講演賞)が2020年12月に授与された。
|
Research Products
(8 results)