2020 Fiscal Year Annual Research Report
電気光学変調光周波数コムを用いたリアルタイム計測装置の開発
Project/Area Number |
19H02156
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
西川 正 東京電機大学, 工学部, 教授 (20374069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石澤 淳 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子科学イノベーション研究部, 主任研究員 (30393797)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | デュアルコム分光 / リアルタイム計測 / 光周波コム / 電気光学変調光周波数コム |
Outline of Annual Research Achievements |
レーザー間の位相同期を必要とせずにレーザーの専門家でなくても手軽に扱え、ロバストでフィールド環境でも利用可能な、1台のフリーランニング連続発振半導体レーザーと多段の電気光学変調器を用いた光ファイバー結合ベースの新たなデュアルコムリアルタイム計測装置の研究開発を目的とする。本年度は、我々が考案したシングルショット計測でデュアルコム分光の補間を自動的に行う手法の高精度化を図る為に昨年度に実施した、高精度波長計での測定値を元にシード半導体レーザーの駆動電流をPID制御することによりレーザー波長を定量的にスキャンして自動補間する手法に於いて思うような精度が得られなかった点を解消する為に、レーザーを制御するPIDパラメーターの見直しを実施することにより改善を図る事が出来た。また、非線形ファイバー用いてEOMコムのスペクト帯域拡大を図る為に昨年度にシミュレーション計算で求めた最適条件パラメーターを元に、実際の実験系での測定を行った。シミュレーションで予測されていた広がり巾を実験では得る事が出来なかったので、シミュレーションとの相違が生じた原因について検討を行っている。さらに、計測感度の向上に向けて、光路長72 mのヘリオットセルを導入した場合に我々の測定系を用いて達成出来る測定感度についてHITRANデーターベースを用いたシミュレーション計算を実施し、アンモニアなら1.2 ppmの感度の達成が出来るという目途が付いた。分担研究者の所属するNTT物性科学基礎研究所では、導波路幅を変えることで分散制御したSiN導波路を作製して導波路幅の最適化を行い、僅か185 pJというパルスエネルギーでの2オクターブ以上の広帯域光発生に成功した。本技術をEOMコム光源に適用する事で、分光計測帯域の拡大が可能となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は研究のキーアイテムである高出力25GHz RFアンプ及びSSB変調器の故障があり、その修理及び代替品の調達に思いのほか大変長期間を要してしまった為に研究計画が予定通り進まなかった。また、新型コロナウィルス感染症拡大の影響で密を避ける為に研究室活動の人数及び日数が制限を受けた影響も大きかった。新年度に於いては感染防止策の徹底により研究室活動の制限が緩和されているので、最終年度に於いて研究計画の挽回を図り、やり残した研究を完遂させる所存である。
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Strategy for Future Research Activity |
PID制御機能付き波長計の他に、シードレーザーのSSB変調器を用いた定量スキャンによる手法も手掛ける事で、研究計画に掲げた高精度自動補間法を完成させる。さらに、EOMデュアルコム分光による高速高感度計測を実証する為に、ヘリオットセルを用いたガス分光計測も手掛ける。また、新たな高SN比化の手法も思いついたので、それに関するトライを行う。
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Research Products
(6 results)