2020 Fiscal Year Annual Research Report
細菌ストレス応答の動的過程解明:エレクトロニクスに創発された新細菌同定法への展開
Project/Area Number |
19H02196
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
石井 仁 豊橋技術科学大学, 研究推進アドミニストレーションセンター, 特任教授 (20506175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 光正 産業医科大学, 医学部, 教授 (00315087)
町田 克之 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 特任教授 (90597676)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | フォトゲート / 蛍光 / 細菌センサ / レジオネラ属菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、バイオフィルムなどの環境に常在する病原細菌の一つであるレジオネラ属菌を細菌の動的過程解明のモデル細菌とし、このレジオネラ属菌の紫外光や化学物質に対するストレス応答の動的過程を蛍光の時間変化として観測し、フォトゲート型光センサを細菌同定に適用する。さらに、このセンサをシステム化し小型可搬な細菌同定センサシステムを開発することを目的としている。 2020年度は、複数種類のレジオネラ属菌を混合した系を細菌叢モデルとして、この中からターゲットとするレジオネラをその蛍光特性のフォトゲート型センサによる観測から識別する検討をさらに進める予定であったが、新型コロナ感染症の蔓延に伴う移動の禁止措置により、共同研究先である産業医科大学でのレジオネラ属菌を用いたフォトゲート型センサによる蛍光特性観測に至ることができなかった。 代わりに豊橋技術科学大学内のみで検討できる本来2021年度に行う予定の細菌センサのシステム化を目指した検討を前倒しで進めた。フォトゲート型光センサを集積化してアレイ化する基礎検討として、フォトゲートをディスクリートに実装したセンサチップを作製した。この検討では、これまで取得してきたレジオネラ属菌の蛍光特性を基にして、フォトゲート電圧の制御、微弱光電流の取得をマイコンで制御可能とした。この結果、従来蛍光特性の観測には大型の半導体パラメータアナライザを用いていたが可搬可能な小型チップとマイコンのみで蛍光観測可能とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度は、複数種類のレジオネラ属菌を混合した系を細菌叢モデルとして、この中からターゲットとするレジオネラをその蛍光特性のフォトゲート型センサによる観測から識別する検討をさらに進める予定であったが、新型コロナ感染症の蔓延に伴う移動の禁止措置により、産業医科大学でのレジオネラ属菌を用いたフォトゲート型センサによる蛍光特性観測に至ることができなかった。 代わりに豊橋技術科学大学内のみで検討できる本来2021年度に行う予定の細菌センサのシステム化を目指した検討を前倒しで進めた。フォトゲート型光センサを集積化してアレイ化する基礎検討として、フォトゲートをディスクリートに実装したセンサチップを作製した。従来蛍光特性の観測には大型の半導体パラメータアナライザを用いていたが可搬可能な小型チップ化とPCのみで蛍光観測可能とした。 以上のように、コロナ禍の移動禁止措置のために、当初予定していた分担者の所属する共同研究先での病原細菌を用いた蛍光データ取得ができなかったが、2021年度に予定していたフォトゲート型細菌センサのワンチップ化、システム化を先取りして進めることが出来た。2021年度は共同研究先で、2020年度に作製したシステム化された小型センサでのデータ取得に臨めるため。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、昨年度小型化に成功したフォトゲート型細菌センサチップをこれまでに開発したPDMS製MEMS流路とハイブリッド化しシステム化をさらに進める。 このために3Dプリンタを用いて作製した筐体に上記のフォトゲート型細菌センサとMEMS流路を一体化して実装し、小型可搬な細菌センサシステムとして構築する予定である。 また、この細菌センサシステムを用いて、レジオネラ属菌の蛍光の動的過程を観測して、その特性をレジオネラ属菌のストレス応答として記録しする。 これらの特性を参照データとしてルックアップテーブル化して、バイオフィルムを模したレジオネラ属菌の混合系を用いてレジオネラ属菌の識別を可能とする予定である。 これによって目標としたエレクトロニクスに創発された細菌のストレス応答として発現する動的過程を観測して検知識別する新たな細菌同定システムの構成技術とする。
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