2021 Fiscal Year Annual Research Report
鉄筋の発錆条件の理論的整理に基づくRC構造物の予防保全型維持管理の実現
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19H02218
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
加藤 佳孝 東京理科大学, 理工学部土木工学科, 教授 (80272516)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊代田 岳史 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (20549349)
加藤 絵万 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 港湾空港技術研究所, グループ長 (90371765)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 維持管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,コンクリート中の鉄筋の発錆条件を整理するとともに,鉄筋の発錆時期の推定方法を構築することを目的として実施した. 本研究の中核をなす鉄筋の発錆条件について検討した結果,要因としてはpH,塩化物イオン濃度,酸素濃度と既往の研究でも指摘されている結果となったが,特に,発錆条件に与える塩化物イオン濃度と酸素濃度の関係を実験的に取得することに成功した.酸素濃度の低下に伴い,発錆時の塩化物イオン濃度は増加,すなわち,コンクリートに塩化物イオンが供給されても腐食しにくい状況になるが,酸素濃度がある値(本研究では0.10~0.21%の間)を下回ると,急激に発錆時の塩化物イオン濃度が小さくなることがわかった. 発錆後の腐食速度については,鉄筋表面のセメント硬化体中の飽水度が重要であり,飽水度60~80%程度で腐食速度が最大になることもあきらかとした.このとき,乾燥した状態のセメント硬化体を高湿度環境下で吸湿しても,鉄筋が腐食するような飽水度には達しないことも実験的に明らかとした.すなわち,コンクリート中の鉄筋が腐食するためには,上記の条件に加えて,外部から液体の水の作用が必要不可欠であることも明らかとした. セメント硬化体への水の浸透については,暴露試験,室内試験の結果から,日射による乾燥の影響を適切に考慮する必要があることを把握した.これについては,研究計画では想定していなかったことであるが,新たに水門学分野等で利用されているバルク法に着目し,気象情報とコンクリートの特性値から,実構造物のコンクリートの乾燥程度を予測できる可能性を見いだした.今後,この方法を発展させることで,実構造物の維持管理において活用できる技術になりえると考えている.
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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