2019 Fiscal Year Annual Research Report
Clarification on Shear Resisting Mechanics of Damaged Concrete Members Based on Micro-Structural Interactive Fracture Mechanics
Project/Area Number |
19H02226
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
三木 朋広 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (30401540)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 尚史 関西大学, 環境都市工学部, 准教授 (20422785)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 微視-構造連成破壊力学 / アルカリシリカ反応(ASR) / 水中圧縮疲労 / 3次元可視化 / ひび割れ密度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、アルカリシリカ反応(ASR)によって劣化したコンクリート部材のせん断抵抗機構を理論的に説明することを最終目標とする。2019年度は、ひび割れの3次元可視化の結果に基づく応力-ひずみ関係等の材料破壊のモデル化を目的に要素実験を実施した。また、次年度実施するRCはりの載荷実験に関する予備検討を行った。得た成果は以下の通りである。 成果1:ASRによる損傷程度の他、コンクリートのひび割れ進展に与える繰返し荷重下での水の影響を調べるため、ASRが生じた無筋コンクリート円柱供試体を対象として水中圧縮疲労試験を行った。各供試体を用いた損傷把握のために、載荷試験前に超音波試験、ならびに表面観測からひび割れ密度を計測し、ASRによる劣化度を定量化した。さらに低サイクル圧縮挙動に与える水の影響について、特に繰返し載荷中の圧縮ひずみの増加プロセスを実験的に捉えることに成功した。 成果2:ASRが生じたRCはりのせん断耐荷機構を明らかにするため、実験的に詳細調査を行った。実験ではせん断スパン有効高さ比a/d = 1.0、2.5、4.5の3体のRCはりを対象とした。載荷試験を行う前に、ひび割れスケッチの作成やマイクロスコープを用いてひび割れ幅の測定を行い、ひび割れによる損傷度を定量化した。せん断載荷試験では、ASRによるひび割れの開口変位、鉄筋ひずみ、中立軸、画像解析と目視観察から斜めひび割れの進展挙動を計測した。斜めひび割れの発生荷重、角度や分散性の違いにより、a/dが異なるASR供試体のせん断耐力に与える影響を明らかにした。 成果3:拘束下におけるASRおよびDEFの膨張挙動を把握するため、側方向を拘束した円柱供試体の膨張試験を行い、ASRとDEFはどちらも拘束により異方的な膨張を示すこと、DEFではASRと比較して拘束により膨張がより大きく抑制される傾向を確認した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の目標であった「ひび割れの3次元可視化の結果に基づく応力-ひずみ関係等の材料破壊のモデル化」はほぼ計画通り達成することができた。得られた成果は、コンクリート構造物補修,補強,アップグレード論文報告集、国際会議FraMCoS-10に投稿できた。
|
Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、申請計画の通り、ASRによる内在損傷、部材強度の寸法効果に与える破壊局所化領域の影響の定量化を目的に、様々な損傷程度を再現した構造部材における破壊進展を調べる実験を行う。また、大型RCはりの載荷実験を系統的に実施し、RCはりのせん断強度の寸法効果に与える破壊局所化領域の影響を明らかにすることを目指す。
|