2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of coupled THMC numerical simulator and it application to geological disposal
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19H02237
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
安原 英明 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 教授 (70432797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸田 潔 京都大学, 工学研究科, 教授 (20243066)
木下 尚樹 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 准教授 (30263958)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 熱・水・応力・化学連成 / 連成数値シミュレータ / き裂性岩盤 / 透水・物質移行挙動 / 地層処分事業 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では単一不連続面を有する花崗岩を対象とし,地下環境を想定した高温・高圧・塩水条件下でラフネス剛性試験および連続透水試験を実施した.ラフネス剛性試験で供試体のかみ合わせを向上させ,連続透水試験で,高温条件下での模擬海水が花崗岩不連続面の透水特性に与える影響を評価した.また透過率の経時変化の要因を検討するため,ICP発光分光分析,不連続面形状計測,走査型電子顕微鏡観察を行った.具体的には,ICP発光分光分析による不連続面における鉱物溶解・沈殿等の化学作用評価,不連続面形状測定による透水前後の不連続面形状変化評価,走査型電子顕微鏡観察による二次鉱物の確認を行った.さらに,損傷理論を実装した連成解析モデルを整備し,室内試験の再現解析を実施した. 透水試験に関しては,ラフネス剛性試験および連続透水試験を実施した.高温条件下で模擬海水を用いた実験(R-2)では,サイクルを重ねるごとに透過率が減少し,不連続面のかみ合わせが良くなったことが確認できた.連続透水試験(E-23)では,透水試験開始から単調に減少し,最終透過率は初期透過率に比べ約1オーダー減少した.また,境界条件の違いにおける正規化透過率の比較に関しては,鉱物飽和水,模擬海水ともに,90℃条件よりも20℃条件の方が透過率が減少することが確認できた.物質濃度評価に関しては,透過水が模擬海水の際はNa,鉱物飽和水の際はSiの溶出濃度に着目した.模擬海水では90℃条件よりも20℃条件の方が沈殿現象が卓越すること,鉱物飽和水では20℃条件よりも90℃条件の方が溶解現象が卓越することが確認できた.微視構造観察に関しては,室温条件の実験(E-22)で観察された塩結晶と考えられる立方体型の沈殿物が確認された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度実施計画で示した内容を概ね進捗できたため.透水試験およびその後の岩石分析・化学分析・微視構造観察についても想定通りに成果を出すことができた.また,熱・水・応力・化学連成数値シミュレータについても着実に開発が進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
拘束圧・温度・化学条件を制御した岩石亀裂の長期透水・物質移行試験については,異なる実験条件で試験を実施し,データの蓄積を行う.また,岩石分析・化学分析・微視構造観察についても,引き続き実施し,更なる現象の理解に努める.さらに,熱・水・応力・化学・連成解析シミュレータiPSACCの開発についても,引き続き実施し,異なる実験条件における実験結果の再現を試み,開発されるシミュレータの妥当性・有用性を検証する.
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Research Products
(6 results)