2021 Fiscal Year Annual Research Report
Optimal level of infrastructure related expenses -theoretical and empirical approach-
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19H02262
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小池 淳司 神戸大学, 工学研究科, 教授 (60262747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬谷 創 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (20584296)
石倉 智樹 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 准教授 (30356050)
織田澤 利守 神戸大学, 工学研究科, 教授 (30374987)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 公共事業関係費 / マクロ経済動学モデル / マクロ計量経済モデル / 入札制度 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在,わが国の公共事業関係費は対GDP比で3.2%であり,ピーク時と比較して半減している.他方,欧米諸国との比較では,依然高い水準にある.この水準が適切であるかどうかの判断は,単純な各国比較や時系列比較だけでなく,理論的・実証的・構造的アプローチが不可欠である.理論的分析では動学マクロ経済学のフレームでインフラストラクチャーの特性を再定義し,理論的な最適性がどのような要因に依存するのかを検証する.その結果,不確実性が高いわが国では,インフラストラクチャーの社会的価値が高く,より高い水準での整備が正当化されることを証明した.実証的分析では社会資本ストック額および公共事業関係費と経済成長力に関する因果推論を実施することで,様々な面でのインフラストラクチャーの効果の計測に成功している.さらに,構造的分析では,建設産業および入札制度,地理的要因などに着目し,わが国の公共事業の費用構造に関する特異性を分析した.これら,3つの分析を総合的に判断し,最終的にはわが国の公共事業関係費の現状水準は,最適水準と比較して低いことがあきらかになった.そして,その要因をインフラの意思決定手法にあると考え,公共財としてではないインフラストラクチャーの価値としてまとめた.そこでは,これまでインフラストラクチャーがサミュエルソンが定義した公共財としての価値のみに注目していることを指摘し,宇沢弘文が定義した社会的共通資本としての価値,すなわち,国民の基本的権利を満たすものとする価値が存在し,その価値観の共有こそが重要であることを示した.次年度は,これらの知見を欧米のインフラストラクチャー評価手法と比較検討することで,わが国におけるインフラストラクチャーの評価手法の再構築を目指す.
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(15 results)