2021 Fiscal Year Annual Research Report
Tracking of antibiotic resistant bacteria in water environment by using genetic and chemical tracers
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19H02272
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
本多 了 金沢大学, 地球社会基盤学系, 教授 (40422456)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 徹 山形大学, 農学部, 教授 (10302192)
西山 正晃 山形大学, 農学部, 准教授 (10802928)
原 宏江 金沢大学, 地球社会基盤学系, 助教 (70823524)
松浦 哲久 金沢大学, 地球社会基盤学系, 准教授 (90771585)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 薬剤耐性遺伝子 / 微生物起源追跡 / 雨天時下水越流水 / 微生物群集 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に淀川流域の西高瀬川流域を対象として採取した晴天時と雨天時の対象河川水,下水処理場の流入水と放流水,雨天時越流水の試料を対象としたショットガンメタゲノム解析を行った。得られた配列データを薬剤耐性遺伝子データベースCARD,可動遺伝因子データベースACLAMEおよびMGEと比較して,薬剤耐性遺伝子叢,可動遺伝因子叢を得た。また,16SrRNA遺伝子を対象とした微生物群集構造解析も行った。主成分分析などの多変量解析を行ってこれらのサンプル間から得られた各プロファイルの比較を行った。その結果,晴天時の河川水の薬剤耐性遺伝子叢,可動遺伝因子叢,微生物群集構造は,下水処理場下流においては,処理場放流水の影響を大きく受けていることが示唆された。一方,雨天時の合流式下水越流水出水時には,未処理下水と類似した薬剤耐性遺伝子叢,可動遺伝因子叢,微生物群集構造となり,その影響は下流までほぼ一様に続いていることが明らかになった。また,晴天時の河川水には排出ポンプ機構による多剤耐性遺伝子が比較的多かったのに比べて,雨天時にはセファロスポリン系,アミノグリコシド系,テトラサイクリン系抗菌薬に対する耐性遺伝子の割合が比較的多かった。特に,可動遺伝因子叢は,晴天時・雨天時ともプラスミドが最も多かったが,雨天時はプラスミドの割合が減少してファージ遺伝子の割合が大きいことが特徴的であった。このことから,雨天時合流式下水越流水は河川水の薬剤耐性叢と,遺伝子水平伝搬の原因となる機構に大きな影響を与えることが明らかになった。また,in vitro実験によりバンコマイシン耐性遺伝子が一定の割合で水環境中から単離した腸球菌へ水平伝搬することが分かった。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)