2019 Fiscal Year Annual Research Report
Assistive technology for sleep and livelihood in shelter and temporary house
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19H02296
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
都築 和代 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70222221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鍋島 佑基 静岡理工科大学, 理工学部, 講師 (10738800)
木村 竜士 高知工業高等専門学校, ソーシャルデザイン工学科, 准教授 (90571810)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 睡眠 / 避難所 / 救助用寝具 / 体温調節 / 温冷感 / 生活モニタリング / 寝具断熱性 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.避難所での睡眠支援では(1)a)中間期に救助用毛布とその下に簡易エアマットを敷いた場合について学内体育館で実験を実施した。測定項目は温熱環境要素、睡眠変数、直腸温、皮膚温などであり、就寝前後に温冷感や睡眠感をアンケート調査した。また、自宅において普段使用している寝具を使用して睡眠実験を実施した。その結果、中間期は自然室温であり、睡眠効率や直腸温、心拍数に差は認められなかったが、エアマットで入眠潜時は短く、自宅睡眠で平均皮膚温が高くなった。エアマットの弾力性と寝具断熱性の影響と考えられる。b)冬季に救助用毛布を寝具とし、市販のダウンジャケット(上衣)を着て学内実験棟で睡眠実験を実施した。上半身の断熱性の向上により、睡眠効率が改善した。c)人工気候室にてサーマルマネキンを使用し、a)b)で使用した寝具や着衣を含めた寝床環境についての測定を実施し、断熱性(clo値)を得た。(2)睡眠が翌日のパフォーマンや疲労に及ぼす影響について検討した。中間期では翌日のパフォーマンスは前夜の睡眠時間との相関関係が認められた。 2.仮設住宅の生活モニタリングのプロトタイプ開発では、環境計測ユニットの開発を実施した。マイコンを書き込み可能なADコンバータを用い、I2C規格対応センサに特化したインターフェースを複数設けることで計測項目の拡張が容易となった。さらにセンサ接続に必要なピン数を減らし基板を小型化 (4cm×3cm) した。その基板に取り付けたセンサユニットにより収集したデータの見える化システムの開発に必要なサーバ構築(Webサーバ、アプリケーションサーバ、データベースサーバ)をPythonに統一し、データ形式の変換回数の減少を可能にした。よって、PMV制御に必要な温度、風向、風速等の空調機の制御パラメータをデータ変換のエラーがなく、すべて書き込むことができるシステムを開発し、運用時の動作を記録できるようした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.避難所の睡眠支援(1)では中間期と冬期に実験を実施し、各条件につき健康な青年男性10名以上のデータ収集を実施しており、中間期の自然室温とマットの影響、ならびに、冬期に衣服により寝具の断熱性を補った影響を把握できた。また、サーマルマネキンを使用して、実験で使用した寝具等について、断熱性を測定した。(2)睡眠が翌日のパフォーマンや疲労に及ぼす影響では、夏期と中間期に夜間の睡眠が及ぼす翌日のパフォーマンスへの検討を健康な青年男性10名の被験者について実施しており、興味深い結果が得られている。冬期のデータについては平均体温を使った評価を実施し、論文として公表した。また、中間期データについても発表しており、順調に進展している。 2.仮説住宅等の生活モニタリングのプロトタイプ開発については、環境計測ユニットの開発を実施した・その開発した環境計測ユニットを使用してデータを修得し、データの見える化システムの開発を実施した。さらに、空調機器の全パラメータを扱える制御システムの開発にも着手した。これらにより、熱画像による行動判定による代謝量推定について試み、学会支部にて発表しており、順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
1.避難所での睡眠支援(1)サーマルマネキンによる避難所用寝具の断熱性測定、局所加温・冷却の評価検討を実施し、(2)青年の睡眠前後の疲労・パフォーマンスへの影響解明について取り組んできた。2020年度は(1)(2)を継続し、データ数を増やすとともに、1.避難所での睡眠支援(3)高齢者の睡眠・体温調節へ局所加温・冷却の影響を解明に取り組む予定であった。これは、寒冷な環境において睡眠や体温調節が劣っている高齢者への対策であるとともに、総人口に占める高齢者(65歳以上)の占める割合が28%を超え、かつ、自然災害が多い我が国おいては、避難所環境という不慣れな場所での睡眠への影響を検討することは必須な課題であるため、申請段階から研究計画書に記載されている。しかし、2020年3月からの新型コロナウィルス(COVID-19)感染拡大防止のための大学活動基準によると、教員個人の研究活動は、感染拡大防止措置の上、在宅勤務を積極的に活用し、オンライン活用による必要な活動の継続、ただし、大学内での活動が必要な場合は新しい生活様式等の実行・励行を条件に、実施することができる、とされている。しかし、新しい生活様式等の実行・励行を伴ったとしても、高齢者が本学へ来るまでのリスク、または、研究者が高齢者宅を訪問するにしてもリスクが伴うため、本来度から取り組むべき(3)については状況が変わってから取り組むこととする。よって、今年度は課題1の(1)(2)に取り組み、データを充実させる予定である。 2.仮設住宅の生活モニタリングのプロトタイプ開発では、環境計測システム、サーモカメラシステムおよび空調制御システムを汎用型PCボードRaspberryPi4に統合する。見える化システムのGUI製作環境をPython・Tkinterにより行うことで言語の統一化を図る。
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Research Products
(5 results)