2020 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19H02307
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
姥浦 道生 東北大学, 工学研究科, 教授 (20378269)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋田 典子 千葉大学, 大学院園芸学研究科, 教授 (20447345)
三宅 諭 岩手大学, 農学部, 准教授 (60308260)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 東日本大震災 / 復興 / まちづくり / 都市計画 / 漁業 |
Outline of Annual Research Achievements |
空間変容実態に関し、個別移転店舗に着目して商業店舗の再建動向に関して、店舗数の大幅な減少があったこと、近隣移転に加えて商業集積構造に影響を与える移転も見られたこと、従前より抱えていた課題解決も移転の目的であったこと等を明らかにした。 事業・規制制度に関し、大船渡市を事例とした東日本大震災被災者の住宅復興意向の推移に関して、当初意向及び復興結果別に見た住宅復興の方法や場所に関する意向変化の実態を明らかにした。また、福島県の原発事故に伴う自治体拠点の移動実態に関しても調査を行い、各被災自治体の拠点の設定には、放射線量ではなく日常的な生活圏が影響を及ぼしていたことを明らかにした。さらに、震災に伴う防災集団移転促進事業に関する住民の満足度の分析を行い、海の可視、不可視が居住地選択に影響を及ぼす最大要因であることを明らかにした。 マネジメントに関し、震災前後(2008年度と2018年度)の岩手県内の漁業センサスデータを比較し、震災による漁村漁業への影響を明らかにした。沿岸北部と南部では被災状況、復興事業に違いが見られるが、全般的に漁業経営体が減少していること、また海上作業従事者の減少により陸上作業従事者も減少していることが明らかになった。一方で、漁業従事者の減少は高齢者の廃業による減少割合が大きく、20代および30代の漁業者の参入と事業拡大も見られた。なお、漁協ヒアリングからは復興事業により海水温上昇、魚種交代による影響が指摘された。また、震災により発生した「通い漁業」の実態分析も行った。漁業は従来、職住近接という前提の中で漁村集落の中での営みが行われてきたが、震災により生活利便施設の閉鎖や学校の統廃合、病院の移転集約等が行われた結果、コンパクトなまちづくりという復興理念が通い漁業を生み出したことを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍によって現地調査が困難であったため、これまで調査を実施したものに関する研究成果の取りまとめ作業に重点を置き、補足的調査を可能な範囲で実施しながら研究活動を行った。しかし、現地調査ができないことによる研究の遅れが見られ、期間延長が必要と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究活動の遅延は、コロナ禍の状況によるところが大きい。コロナ禍が終了すれば、問題なく予定していた研究活動は終了するものと思われるが、終了しない場合は、オンライン等による補足調査を計画するなど、適宜課題に対応した対策をとることとする。
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Research Products
(11 results)