2020 Fiscal Year Annual Research Report
Research on the method of BIM data utilization for contextualization of built environment related IoT
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19H02310
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野城 智也 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (30239743)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | IoT / BIM / 空間情報 / コンテクスト / Common Ground |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的に掲げた3つの問いに対する検討を進めた。 問い1 IoTに供するためにコンテクスト記述:既存建築を対象にした三次元スキャニングによる点群データ群やBIMデータとセンサーの位置データを紐つけることを試みた。3次元座標上による位置定義だけでなく、どの部材や建築部位との位置関係が明確でなければ適切に利用できないセンサーデータもあることから、点群データやBIMデータから、建築の部材・部位構成を作成する方法を検討した。加えて、センサーデータとその位置情報とを紐つけたインタフェースのあり方を検討するため、地図情報上に、室内の二酸化炭素濃度や、加速度センサーの情報を表示するシステムを試作した。 問い2 コンテクスト記述に活用するBIMデータの同定:住まい手・使い手の状況にかかわる情報を、①人の位置情報 ②とりまく環境情報に分類したうえで、①についてはBluetoothによる人と人との近接性把握法に関して ②については室内の二酸化炭素濃度計測に関してケーススタディを行った。これらの結果を踏まえ、空間座標に加えて所在する単位空間が記述できる情報や、単位空間の形状、空間分布に影響する開口部・器物・機器配置などが把握できる情報を「標準的な」BIMから抽出する手立てを検討した。加えて、地図データとBIMデータとの連携について検討をすすめた。 問い3 BIM→IoTの切れ目のないデジタル・データの処理手順:問い1への検討を踏まえ、空間情報源が三次元スキャナーである点群データであるのか、BIMデータであるのかにかかわらず、普遍的な3D空間モデルを構築しなければ、切れ目のないデータ処理は困難であるという認識に至った。メタデータ基盤のアーキテクチャとして、豊田啓介氏の提唱するコモングラウンド構想を参照することが至当であるという認識に至り、同氏らとの共同研究体制の構築に努めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
主題に関する理論的検討や、ユーザーインタフェースの試作などは進めることができたものの、コロナ禍のため実際の建築物にセンサーやIoTシステムを設置して行う実験的検討が制約を受けてしまったため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究目的に掲げた三つの問いのうち、問い2コンテクスト記述に活用するBIMデータの同定 については、膨大な種類・量のBIMのデータから、如何なるデータを抽出すればよいのか、その見通しが立ってきている。必ずしも標準的なBIMデータとしては所収されてはいないが、コンテクスト記述のためには必要な属性データが何であるかという点に注意を払いながら、この問いに対する答えを用意していきたい。 問い1IoTに供するためにコンテクスト記述、及び、問い3BIM→IoTの切れ目のないデジタル・データの処理手順については、初期情報源が、三次元点群データであるのか、BIMデータであるのかにかかわらず、単位空間や、部材、移動体を含む機器、器物、人との位置関係や、動線や気流などの移動・流動を記述できる、空間のメタデータ基盤を構築することが不可欠であることが2020年度までの研究で明らかになったことから、そのメタデータ基盤の試作に注力することで、問いへの答えを用意していきたい。
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Research Products
(4 results)