2019 Fiscal Year Annual Research Report
International Comparative Analysis regarding Environment Management of Inclusive education for children with Profound and Multiple Disabilities
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19H02321
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
菅原 麻衣子 東洋大学, ライフデザイン学部, 教授 (90361790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
是枝 喜代治 東洋大学, ライフデザイン学部, 教授 (70321594)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | インクルーシブ教育 / 障害児 / 学校施設計画 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年2月、イタリアでの新型コロナウイルスの蔓延により、学校の外来者の受入れが制限されたため、令和2年3月に予定していたローマでの学校訪問調査が実施できなくなった。研究遂行上、ローマの学校訪問調査を実施し、イタリアのインクルーシブ教育の環境特性を明らかにすることが不可欠であるため、新型コロナウイルスの収束が予想される令和2年9月にローマの学校訪問調査を実施することとした。しかしながら再度、新型コロナウイルスの影響により外務省から渡航に関する注意喚起が発令され、予定していたローマ市内小中学校現地調査(研究協力者との打合せ、現地調査等)を行うことができず、令和2年度内に事業を完了することが困難となった。再繰り越しにより令和3年度の現地調査を予定していたが、厳しい状況は変わらず、調査費用として確保していた旅費の執行は出来なかった。 その中で、資料分析を中心に情報収集を行うと共に、イタリアの学校建築研究者であるマリアグラツィア・マルカリーニ博士が中心になって編集された書籍「INDOOR E OUTDOOR: ITINERARI PROGETTUALI PER L'INNOVAZIONE DEGLI AMBIENTI DELL'APPRENDIMENTO」の一部執筆を担当した。内容は日本における通常小学校と特別支援学校の施設一体型タイプに関する分析考察結果であり、児童生徒間の交流を促す空間や学校経営について、イタリアの研究者らからも興味関心が寄せられた。一方で、これを通じてイタリアのフルインクルージョンにおける学校施設計画の課題や近年の動向の一端を捉えることができた。コロナ禍による授業のオンライン化により、今後学校施設の在り方や障害のある子どもの学習環境の場についてさらなる議論や分析・評価が必要とされている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は国際比較研究であり研究目的の遂行にあたり現地調査は欠かせないが、コロナ禍による渡航制限により、現地調査を実施することが困難な状況が続いている。研究手法としてはオンライン上での研究交流や情報収集にとどまり、実際に重度重複障害のある児童生徒の学習状況や教職員の支援状況と、学校空間との関係性について直接観察記録を取ることが実現できず、その点の研究が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
渡航制限の緩和、および待機期間の縮小が進み次第、現地調査の実施に向けて調整を進めたい。ただし、調査先が重度重複障害のある児童生徒がいる学校であるため、それらの児童生徒は普段から健康管理に努める必要があり、渡航制限等の緩和が進んでもコロナ前のように外部からの来校が認められるかは学校管理者の判断次第になるとも考えられる。基本は現地調査を中心とした研究計画を維持するが、現地調査の計画と並行して、オンライン上での研究交流や情報収集等にも引き続き取り組んでいく。
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