2019 Fiscal Year Annual Research Report
A Study on Mobility of Residential Areas in the Suburb of JABODETABEK, Indonesia
Project/Area Number |
19H02325
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
吉田 友彦 立命館大学, 政策科学部, 教授 (40283494)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
式 王美子 立命館大学, 政策科学部, 准教授 (10512725)
松行 美帆子 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 教授 (90398909)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | インドネシア / ジャカルタ / 郊外 / 住宅地 / 交通 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では大きく3つの研究項目を設定した。第1にジャカルタ大都市圏における市街地拡大過程を分析してその特徴を明らかにすること。第2に郊外部居住者の通勤・生活・余暇行動の諸交通パターンにおいて、生活インフラの不足状況を人々がどのように克服しようとしているかを明らかにすること。そして第3に、こうした人々の克服の試みを市場や政策に取り込むための空間計画制度の方向性を考察すること、の3つである。これらの研究項目のうち、本年度は主に一番目の目的に関して市街地の拡大過程の分析を行った。インドネシア政府の統計やGISデータの整理作業を行うため、インドネシア語を理解する研究員を雇用し、各種データの収集・整理を行った。 具体的には、郊外開発を促す要因を考察するための基礎データとして25000分の1の電子地図を複数枚購入し、メッシュを統合して自治体境界でクリップするなどのGISデータの整理作業を行った。当該作業においては、ジャカルタ特別州(DKI)の西部開発過程を検証するため、DKIとともにBODETABEK西部にある「TA」地区すなわち、タンゲラン地区を当面の分析対象とした。タンゲラン市、南タンゲラン市、タンゲラン県をカバーするエリアのGISデータ編集を行い、都市を構成する諸要素(道路、建築などのポリゴンデータ、公共施設のポイントデータ)の各レイヤを作成した。一方で、インドネシア国内の都市化過程を比較研究するために、東部への開発過程が著しいジャワ島スマラン市のGISデータも取得した。それぞれの都市のKecamatanと呼ばれる行政区ごとの政府統計を収集し、小地域統計の準備を行った。このほか、ジャカルタ大都市圏の特徴を明らかにするため、インドネシア国内大都市の住宅政策および都市計画に関する資料収集や論文執筆を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度末に、ジャカルタ郊外を概括的に巡検し、急速に開発の進む地区の典型事例をいくつか現地調査して認識を深める予定であったが、新型コロナウイルスの影響で実施できなかった。とはいえ、2019年度には複数都市のGISデータや、交通利用者データ、および低所得者向け住宅居住者データを得ることができたため、作業としてはこれらのデータ分析の作業から先行的にとりかかっている。現地調査については、可能になった時点であらためて現地調査する方向で検討しているが、新型コロナウィルスの封じ込めの度合いに大きく依存するため時期については流動的にならざるを得ない。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度後半からインドネシアのディポネゴロ大学大学院建築学専攻の修士課程を修了した研究員を雇用し、行政資料の収集と整理にあたったので、今後も終了年度までの2年間、研究員の雇用を継続し、ジャカルタDKI地区とタンゲラン県、タンゲラン市、南タンゲラン市の統計的分析を行うことで研究を推進する。具体的には、ジャカルタDKIとその西部のタンゲラン地区のGISデータ、ジャカルタDKI内の交通利用者データ、およびRUSNAWAと呼ばれる低所得者向け住宅居住者データの分析を進める。都市計画施設は鉄道、駅、公園、道路、運輸・流通施設など多岐にわたるので、急速な郊外化の弊害があらわれるような諸施設に焦点を絞り込みながら研究を推進していく。
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