2022 Fiscal Year Annual Research Report
Methodological Research for Reconstruction of History of Western Architecture and Theory of Architectural Design based on Tectonics and Materiality
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19H02328
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 耕一 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (30349831)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 西洋建築史 / 近代建築史 / 建築理論 / 時間性 / 物質性 / 構築 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、建築における「時間性」の問題を念頭に置きながら、「構築(tectonic)」と「物質性(materiality)」というふたつの観点から、具体的なモノとしての建築理論・建築史学の再構築を目指すことに取り組んできた。 特に「構築」の側面では、古代ギリシア・中世ゴシック・近世フランスにおける石造建築における鉄骨の補強のあり方を明らかにしたり、古代ローマ以来、中世、近世を経由して近代まで使われ続けて来たコンクリートおよびセメントの継承の問題を明らかにするなど、従来の西洋建築史をまったく別の視点から論じる可能性を切り拓くことができた。 また「物質性」の側面では、とくに産業革命以後の大量生産の問題と建築のインテリアの問題を研究した。そのなかで浮かび上がってきたのが、労働者階級の住宅の問題と、ブルジョワ階級と公共建築の問題である。こうした観点から19世紀における社会階級の問題と建築デザインの問題を見ると、大量生産やインテリアの問題と強く結びついてきたことがわかってきた。従来の近代建築史は、産業革命以後の鉄の生産量の増大と建築構造技術の発展を重視した一方で、機械による大量生産のものづくりはデザインも品質も粗悪であったと否定し、その超克として手工芸のアーツ&クラフツ、アール・ヌーヴォーを経て、モダニズムに到達したというように、様式史的・デザイン史的な発展を強調しながら歴史を叙述してきた。しかし大量生産のものづくりと建築・インテリアにおける物質性に着目することで、従来の近代建築史をまったく別の観点から論じる可能性を切り拓くことができたといえる。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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