2019 Fiscal Year Annual Research Report
建築家村野藤吾における「歴史」「伝統」「過去」についての意識とその表現
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19H02329
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
松隈 洋 京都工芸繊維大学, デザイン・建築学系, 教授 (80324721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 拓也 京都工芸繊維大学, デザイン・建築学系, 助教 (40721361)
角田 暁治 京都工芸繊維大学, デザイン・建築学系, 教授 (60379063)
笠原 一人 京都工芸繊維大学, デザイン・建築学系, 助教 (80303931)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 村野藤吾 / 図面 / 歴史 / 過去 / 伝統 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、研究のための基礎資料作成の一環として、まず第1に、対象とする作品を選定し、図面資料の整理・保存作業を行った。村野藤吾が設計を手掛けた増築および改修作品に焦点を当てた。大丸神戸店、そごう大阪本店、京都市美術館、志摩観光ホテル(現・志摩観光ホテル ザ・クラブ)、髙島屋日本橋店、丸栄百貨店、南都銀行本店、心斎橋ビル(板谷生命ビル)、関西大学図書館(現・関西大学博物館/簡文館)、森五商店東京支店(近三ビルヂング)、近鉄百貨店阿倍野本店、アポロ会館(旧アポロ座)、新大阪ビル、迎賓館赤坂離宮、宇部市文化会館の15作品について、図面資料を考察し、建物の履歴を調査した。 なお、研究報告を兼ねた展覧会開催計画をすすめていたが、開催予定会場の都合により1年間開催を延期することになった。そこで2020年度への繰り越し申請を行った。2020年度は繰り越しの予算を用いて、対象とする作品を選定し、図面資料の整理・保存作業を行った。本年度は、村野藤吾が設計を手掛けた増築および改修作品に焦点を当て、2019年度と同じ作品を選定した。それらの作品の図面資料のうち、増築や改修のプロセス、特徴を理解できるものについて、大型スキャナーを用いてデジタルデータ化した。また、その事例を列記し、図面資料や写真資料、実際の建物から、何をどのように改修したか、歴史的な建築物や村野自身が以前に設計した建物をいかに尊重し、どのようなデザインを継承し、あるいはどのように新たなデザインを加えているかを系統化し、データの全体像を把握し、それぞれの作品の増築や改修の手法の考察を行った。また、村野藤吾の言説から、増築や改修に関する言及部分を抽出した。関連する現存建物についての現地調査や、写真家の市川靖史氏らの協力を得て写真撮影なども行った。本学所蔵資料以外の資料についても調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前述したように、2019年度に研究報告を兼ねた展覧会開催計画をすすめていたが、開催予定会場の都合により1年間開催を延期することになった。しかし2020年度には、村野藤吾が設計を手掛けた増築および改修作品に焦点を当てて調査を行い、その成果を展覧会や報告書にまとめることができた。したがって、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、建築作品の図面資料、写真資料などを基に、村野の建築設計の際の「歴史」や「伝統」、「過去」についての意識がいかなるものであったか、それが建築作品にいかに表現されていたか、について解明する。
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Research Products
(3 results)