2019 Fiscal Year Annual Research Report
Nozzle throat erosion mechanisms in hybrid rockets
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19H02336
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
永田 晴紀 北海道大学, 工学研究院, 教授 (40281787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
脇田 督司 北海道大学, 工学研究院, 助教 (80451441)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ハイブリッドロケット / ノズル浸食 / 地上燃焼実験 / 再現法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、提案者らが過去の研究で開発に成功した、ハイブリッドロケットのノズルスロート面積と燃料流量の各時間履歴を同時に取得する手法であるNozzle Throat Reconstruction Technique(以下、NTRT)を用いて、ノズル浸食(ノズルスロートが浸食により拡大し、ノズル膨張比が下がる現象)の物理/化学機構を解明し、浸食速度予測手法を構築することを目指すものである。R1年度は以下の内容を実施した。 1. 酸化剤の種類がノズル浸食に及ぼす影響:ガス酸素および亜酸化窒素(N2O)を酸化剤として地上燃焼実験を実施した。推力、燃焼室圧力、および酸化剤流量の各履歴を取得し、NTRTを用いてOF比およびノズルスロート面積の各履歴を得た。モータは200 N級を用い、燃料には高密度ポリエチレンを使用した。 2.モータスケールがノズル浸食に及ぼす影響:スケールの影響は、主に酸素モータにより取得する。R1年度は1スケール(200 N級)のみでデータを取得した。 3.共同研究の発展的展開:研究協力者であるローマ大学のD. Bianchiらとの共同研究により、ノズル浸食の予測を可能とする技術を構築する。R1年度は8/19-22にインディアナポリスで開催されたPropulsion and Energy Forumの会場で打合せを行い、今後の研究方針を決定した。並行して、ノズル浸食を普遍的に評価できる無次元数を見出し、ハイブリッドロケットにおけるノズル浸食速度の定式化に成功した。 4.ノズル浸食を抑制する技術:ノズル浸食に強い材料の候補として、IHIエアロスペース社からC/Cノズルの提供を受け、浸食特性を評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ハイブリッドロケットのノズル浸食は現象が複雑なため、数値解析を単純化するための合理的な近似が不可欠である。R1年度成果により、基礎燃焼学的に本機構を理解し、ハイブリッドロケットでもノズル浸食を予測する式を構築することが出来た。これは当初の想定を超える重要な成果である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の手順は以下の通りである。1.酸化剤の種類を変えて地上燃焼実験を実施し、NTRTを用いて、酸化剤の種類、OF比、ノズル壁面温度、および燃焼室圧力がノズル浸食に及ぼす影響を明らかにする。2.複数のスケールのモータで地上燃焼実験を実施し、モータスケールがノズル浸食に及ぼす影響を明らかにする。3.ローマ大学の数値計算グループと共同研究を発展させ、ノズル浸食の物理/化学メカニズムをより広範な作動条件で解明し、ノズル浸食を予測する手法を開発する。4.浸食を抑制する材料や表面加工技術を見出す。 これまでの研究の進展は当初計画を超えて順調であり、R2年度以降もスケール効果の調査を中心に当初予定通りの研究計画に従って継続する。
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Research Products
(10 results)