2019 Fiscal Year Annual Research Report
Fault-Tolerant Flight Control System and Its Flight Demonstration
Project/Area Number |
19H02340
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
土屋 武司 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (50358462)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 飛行制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
従来の自動操縦が機能しない飛行中の航空機の故障や破損などに対し、適応制御・ロバスト制御手法を基盤とした耐故障飛行制御システムを研究する。とくに、既存の自動操縦器、およびパイロットの手動操縦と協調的に使用される制御システムの研究開発を行う。また、飛行に拘束条件が課せられた航空機が安全に飛行できる最適飛行軌道を機上で生成する実時間飛行軌道最適化手法を研究し、フライトシミュレータ、無人航空機、実験用航空機によって飛行実証することを目的とする。以上より以下の成果が得られた。 ① 航空機の飛行制御で一般的なC*制御則に構造的H∞制御を適用することを検討し、制御器の設計を行った。航空機を剛体として扱う場合と柔軟性を考慮する場合で制御性能に違いがあるかを確認した。また、構造的H∞制御を自動操縦に取り入れた操縦システムを簡易的なフライトシミュレータに実装し、パイロットによる操縦性の評価を行った。その結果、航空機のコンフィグレーションと飛行条件が変化した場合でも、パイロットが指示された飛行を十分に追従できることを確認した。計算機上でのシミュレーションにおいて,不確かさを考慮せずに構造的H∞制御器設計法で設計した制御器は応答が大幅に悪化することが判明した。 ② 不確実環境を考慮した実時間飛行軌道最適化アルゴリズムの基本研究を行った。 ③ より本格的な飛行シミュレーションを可能とする固定席フライトシミュレータの整備と実験準備を行った。 ④ 小型無人航空機を使った飛行実験準備を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初目標を実行し達成している。しかしながら、2020年初頭の国際学会が中止となり、成果報告の機会を失った。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度検討した制御理論を中心に理論的研究とともに、より高レベルへのフライトシミュレータへ実装を行い、パイロット評価を行う。 実時間飛行軌道最適化に関する研究に関しては不確実性を確率論的なモデルとして扱う確率論的最適化の点から研究を進め、航空機運動への適用を行う。 また、フライトシミュレータと無人航空機の整備を継続する。
|