2020 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of interfrence phenomena and optimization of anode-layer type cluzster system
Project/Area Number |
19H02343
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
宮坂 武志 岐阜大学, 工学部, 教授 (60303666)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝原 誠 岐阜大学, 工学部, 助教 (40633045)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 推進・エンジン / 電気推進 / ロケット / 航空宇宙流体力学 / プラズマ計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
今後の大規模宇宙ミッションに不可欠な大電力電気推進機の研究開発として、アノードレイヤ型ホールスラスタヘッド複数基から構成されるクラスタシステムの実用化に向け、ヘッド間干渉効果を積極的に用いて基数倍以上の高推進性能、安定作動範囲拡大の実現を目指し、高推進性能・長寿命が期待されるアノードレイヤ型について以下の測定を実施した。 (1)干渉効果をより強めて明確に評価する目的で、直線部を有するRacetrack形状ヘッド2基からなるシステムを構築した。この際、Circularヘッドとチャネル面積が等しくなるようにした。開発したRacetrackシステムの2基作動(SBS作動)に成功した。プルーム測定の結果、直線部間で強い干渉場が得られていることが確認できた。 (2)アノードレイヤの安定作動範囲を決める放電電流振動モードへの遷移条件である内部コイル電流値について、SBS作動時に各ヘッド毎に着目し測定を実施した。その結果、SBS作動時の遷移点は構成する2基ヘッド毎の遷移点の平均ではなく、一方のヘッドと一致することが明らかになった。この結果は個体差がある場合に、磁場干渉の形態により逆流電子等の特性を通じてSBS作動に影響を及ぼしやすいヘッドが存在することを示している。 この結果は、複数基システムの安定作動範囲決定に関して重要な知見である。 (3)Circular形状SBS作動時のプルーム干渉場のHybrid-PIC解析により、加速チャンネル内の電離・加速現象に強く作用する逆流電子流束が磁場干渉形態(同方向印加,逆方向印加)に影響を受けることが彰隆になった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
干渉効果の強いRacetrack形状アノードレイヤ型ヘッド2基システムの開発と作動の達成により、プルーム干渉に及ぼす個体差の影響を明らかにすることができた。特に安定作動範囲において知見が得られたことは複数基における最適設計指針、最適作動条件の導出という目的を有する本研究の進捗に大いに寄与している。 また、Hybrid-PIC解析により逆流電子流束が同方向印加,逆方向印加といった磁場印加形態により受ける影響を評価することが可能になったことは、プルーム干渉が放電特性に及ぼす知見導出に大いに役立つことが期待できる。
|
Strategy for Future Research Activity |
干渉効果の強いRacetrack形状アノードレイヤ型ヘッド2基システムを用いて、推進効率の向上に関する知見を、安定作動範囲等で見られた個体差の影響の観点に着目し測定評価を行うことで、導出を目指す。また、プルーム特性評価が可能になったHybrid-PIC解析と加速チャンネル内のFull-PIC解析を連成させることで、測定で得られたプルーム干渉場の影響の物理的な評価を実施する。 これら測定,解析によりアノードレイヤ型クラスタシステムの最適設計,最適作動条件に関しての知見の導出を図る。
|