2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of estimation method for capsize risk for an autonomous ship in waves
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19H02360
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
梅田 直哉 大阪大学, 工学研究科, 教授 (20314370)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 秋彦 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水研機構(神栖), 主幹研究員 (10344334)
牧 敦生 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (50556496)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 非損傷時復原性 / 自動運航船 / パラメトリック横揺れ / ブローチング / 確率論的平均化法 / クリティカルウエーブ法 |
Outline of Annual Research Achievements |
向波中のコンテナ船やクルーズ船のパラメトリック横揺れについて、不規則波中の時間領域数値モデルにより、モンテカルロ・シミュレーションを実施し、時々刻々の横揺れ角度の確率密度関数や一定時間内の最大横揺れ角の確率分布を定量化した。次に、最大横揺れ角がQQプロットにより正規分布と近似できたことを利用し、パラメトリック横揺れによる危険発生の確率評価を行った。また、危険角度の初通過時間の確率分布を指数分布と近似する方法での検討も行い、最大横揺れ角を正規分布近似する方法と一致することを確認した。さらにこれらの方法が膨大な計算時間を要することが問題であるためその解決のため、パラメトリック横揺れの平均化方程式に遷移確率密度関数を直接扱う微分方程式(フォッカープランク方程式)の解法を適用し、横揺れ角の確率密度関数の解析解を求めた。しかしながら、その結果は数値シミュレーションとの定量的一致が得られなかったため、解析解に含まれる復原力変動のパワースペクトルによる係数を、短時間の数値シミュレーション結果で調節する新しい手法を提案し、これにより、長時間の数値シミュレーション結果をよく説明することができた。これにより、計算時間の大幅な短縮を実現し、海上でのリアルタイム計算でパラメトリック横揺れの危険を事前に予測し自動回避することへの途を拓いた。 また、海洋調査船が斜め追波中で事故を起こしたことより、この船の自由航走模型実験を角水槽で実施し、長波頂不規則波中のブローチングによる大傾斜の発生確率を定量化した。そしてその結果を、規則波中のシミュレーション結果と波浪の統計理論から推定するクリティカルウエーブ法とよく一致することを確認した。さらにこのクリティカルウエーブ法により当該海洋調査船のブローチングによる危険確率を計算した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定どおり、パラメトリック横揺れの確率特性を短時間に推定できる方法を提案し、平水中復原力の非線形性の弱いコンテナ船について、数値シミュレーションと良い一致を示すことを確認した。しかしながら、平水中復原力の非線形性の弱いコンテナ船についてはやや不一致が残った。 また、事故を起こした海洋調査船の長波頂不規則波中ブローチングによる危険確率はそれほど大きくならず実際と差があった。
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Strategy for Future Research Activity |
パラメトリック横揺れの確率特性を理論的に求めるにあたり、第0近似を正弦運動としている理論からハミルトン系とする理論に方向転換することを考える。 また、長波頂不規則波でなく、より実海域に近い短波頂不規則波を用いて、ブローチングの実験と計算を行うこととしたい。
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Research Products
(8 results)