2020 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19H02377
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤井 秀樹 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 講師 (00597809)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 忍 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (90201053)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 交通システム / エージェントシミュレーション / 機械学習 / MaaS / ライドシェア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的を達成するための要件として重要なのは「①自動走行車の普及を見越した,交通システムの適応進化型制御システムの確立」,「②SAVを想定した先端的なライドシェアサービスシステムの提案と評価」,および,それらの基盤となる「③リアリスティックな交通状況の再現のための交通流シミュレーション手法の確立」である.2020年度は以下の研究を進め,それぞれ成果を得た. 「①自動走行車の普及を見越した,交通システムの適応進化型制御システムの確立」においては,微視的な車両挙動を制御するための強化学習のアルゴリズムを提案した.信号交差点を含む一般道において,渋滞発生および二酸化炭素の排出を抑制できることを確認した.実環境における信号制御の性能を評価した研究成果は和文論文誌にも掲載された.また,制御に必要な交通状況を予測するための深層学習アルゴリズムも提案した. 「②SAVを想定した先端的なライドシェアサービスシステムの提案と評価」においては,利用者の移動需要を階層化し,短距離のオンデマンド交通と長距離の路線バスとの乗り継ぎを想定したサービスを考案して利用者の移動距離や移動時間を評価した.成果は国際会議,国内会議において報告した. 「③リアリスティックな交通状況の再現のための交通流シミュレーション手法の確立」においては,昨年度に引き続き,パラメトリックスタディを高速化するためのミクロスコピックモデル・メゾスコピックモデルのハイブリッド化,および,ミクロスコピックモデル・マクロスコピックモデルのハイブリッド化の提案を行った.一部の成果は英文論文誌に掲載された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
深層学習に基づく交通流状況の予測について英文論文誌に論文が掲載された.他に1件の採録が決定している.これは「①自動走行車の普及を見越した,交通システムの適応進化型制御システムの確立」および「③リアリスティックな交通状況の再現のための交通流シミュレーション手法の確立」の重要な進捗である.また実環境における信号制御手法を評価した成果も和文論文誌に掲載された.以上より研究はおおむね順調に進展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
進捗は順調であり,当初の予定どおり研究を推進する.「①自動走行車の普及を見越した,交通システムの適応進化型制御システムの確立」においては,強化学習アルゴリズムをベースとした交通制御システムの提案をまとめ,シミュレーションにより効果を検証する.「②SAVを想定した先端的なライドシェアサービスシステムの提案と評価」においては,需要に見合ったライドシェア車両の配車アルゴリズムについて提案し,シミュレーションにより効果を検証する.同時に,配車アルゴリズムの基盤となる需要の推定方法についても検討する.「③リアリスティックな交通状況の再現のための交通流シミュレーション手法の確立」においては,研究代表者らが継続して開発する交通流シミュレータADVENTURE_Matesの各種機能改良を継続する.
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