2019 Fiscal Year Annual Research Report
ロバストなデータ解析のための最適化モデリングの深化
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19H02379
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
後藤 順哉 中央大学, 理工学部, 教授 (40334031)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高野 祐一 筑波大学, システム情報系, 准教授 (40602959)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 数理最適化 / データ解析 / ロバスト最適化 / スパース最適化 / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、研究代表者らが過年度に提示した非凸最適化のモデリング技法である、DC(2つの凸関数の差で表す)表現を用いたアプローチの応用範囲の拡大を目指し、スパース回帰と外れ値除去を同時に行う方法などを対象とした。その過程で、以前に提示していた近接DC法(PDCA)よりも、GISTと呼ばれる近接勾配法と非単調な直線探索を組み合わせた方法の優位性に経験的に気付き、その理論的な解析を進めた。その結果、PDCAでは問題の構造にかなり依存し、かつ、手間のかかる手続きを繰り返す強化版PDCAでのみ示されていた最適性に関する好ましい性質を、特段の工夫や前提を必要とせず示せることを年度終盤に論文としてまとめた。また、指導学生の修士論文の一環として、Earth Mover's距離(EMD)用いたクラスタ分析手法についても適用を行ったが、クラスタ分析では何度もLPを解くことになるため、その高速化として、Sinkhorn距離に置き換える方向を目指すことにした。 研究成果のフィードバックや最新の情報を得るために、連続最適化の国際会議ICCOPT2019(ベルリン、ドイツ)、NACA&ICOTA(函館)、INFORMS Annual Meeting(シアトル、米国)などの大規模な国際会議の他、香港科技大、ストーニーブルック大のワークショップ、西南交通大のセミナーなどで研究発表を行った。また、3月にはシンガポール国立大学(NUS)の共同研究者を訪問し数日間集中的に分布的ロバスト最適化のパラメータ感度の導出を行い、翌年度の論文執筆の準備を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度は終盤にCOVID-19感染拡大防止のために学会の研究発表会がキャンセルになるなど、若干影響を受けたものの、それまでは順調に進められたと考えている。当初想定していたDCアルゴリズムではなく、GISTの優位性を確認できたことで、良い意味で方法論全体の改善に繋がっていくことが期待できると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
DCアルゴリズムをGISTなど近接勾配法をベースにしたアルゴリズムに置き換えつつ、引き続き当初計画を軸に、データ解析の色々な手法への拡張を念頭に進めていく。研究のアウトプットとしては論文の執筆を中心として、共同研究をベースに生産性を高めていく。
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Research Products
(21 results)