2021 Fiscal Year Annual Research Report
脆性破壊回避と連続繊維の高復元性能による既設防災構造物の高レジリエント化の実現
Project/Area Number |
19H02394
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
栗橋 祐介 金沢大学, 地球社会基盤学系, 准教授 (30414189)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小室 雅人 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 教授 (10270183)
別府 万寿博 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 教授 (90532797)
玉井 宏樹 九州大学, 工学研究院, 助教 (20509632)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 衝突作用 / コンクリート構造物 / 高レジリエント化 / 超衝撃吸収積層緩衝構造 / 連続繊維シート / 脆性破壊回避 / 衝撃実験 / 衝撃応答解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021 年度の研究成果は,(1) 衝突作用を受ける RC はりの衝突時のエネルギー損失量評価やそのメカニズムの解明,(2) 超衝撃吸収型緩衝構造のエネルギー吸収性能の算定法の提案,および (3) 衝突作用を受ける緩衝材と RC はりの相互作用の解明である. (1) については,圧電素子型の高感度ロードセルと高解像度高速度カメラによる画像解析を用いて,衝突作用を受ける RC はりの衝突時のエネルギー損失を定量評価するとともにそのメカニズムを解明した.具体的には,重錘は RC はりとほぼ完全塑性衝突を呈しており,運動量保存則に基づくエネルギー損失量とほぼ同様のエネルギーを損失していることを明らかにした.また,このことに基づいて,防災構造物の新しい性能照査設計法を提案した. (2) については,超衝撃吸収型緩衝構造のエネルギー吸収性能を評価するための重錘落下実験を実施し,緩衝構造の変形量とエネルギー吸収性能との関係を明確にするとともに,その算定法を提案した. (3) については,緩衝材と RC はりの相互作用に及ぼす緩衝材の材料特性に影響について,重錘落下衝撃実験により検討した.2021 年度はせん断破壊型 RC はりを対象とした検討も実施した.その結果,緩衝材設置による RC はりのせん断破壊抑制効果を確認するとともに,エネルギー収支に基づくせん断破壊推定法の提案を試みた.また,三次元弾塑性衝撃応答シミュレーションによっても,このことを検証した.これらの検討については,2022 年度も継続して成果をとりまとめる予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究プロジェクトの当初計画においても,緩衝材設置による RC 部材のせん断破壊抑制効果の解明や定量評価を目的としていたことから,概ね予定どおりに進捗しているといえる.超衝撃吸収型積層緩衝構造についても,概ね想定どおりの緩衝性能を発揮することが確認されていることから,RC 構造物上に超衝撃吸収型積層緩衝構造を設置した場合の耐衝撃設計の試算も可能になった.2022 年度は提案した耐衝撃設計法の妥当性を重錘落下実験や三次元弾塑性衝撃応答シミュレーションで検証する. 研究成果の公表に関しては,国内査読付き論文2編,国際ジャーナル1編を投稿し掲載された.また,構造物の衝撃問題に関するシンポジウムを開催し,本研究プロジェクトに関連する研究を5件発表した.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの知見に基づき,本研究プロジェクトの目標達成のため,超衝撃吸収型積層緩衝構造を設置した RC 防災構造物の耐衝撃設計法を確立するとともに,その妥当性を重錘落下実験や三次元弾塑性衝撃応答シミュレーションで検証する.本研究プロジェクトの最終年度になるため,できる限り多くの国際ジャーナルや国内査読付き論文で成果を公表する.
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