2019 Fiscal Year Annual Research Report
窒化物半導体薄膜の両極性伝導制御と太陽電池への応用
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19H02427
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
松崎 功佑 東京工業大学, 元素戦略研究センター, 特任助教 (40571500)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | アンバイポーラトランジスタ |
Outline of Annual Research Achievements |
薄膜太陽電池の光吸収層として有望な窒化物半導体Cu3Nについて、多結晶薄膜合成とギャップ内準位の低減化を行い、簡便な評価法として薄膜トランジスタを作製した。
1.MBE法による高品質なエピタキシャル薄膜で実証された高い移動度を示す窒化銅について、一般的な固体ゲートより一桁以上高いキャリアを誘起でき、表面の吸着分子を除去できる電気二重層トランジスタ構造を用いて、窒化銅の両極性キャリア変調を試み、pチャネル、nチャネルともに良好なOn/Off比、正孔および電子の電界効果移動度が得られた。 2.多結晶チャネル薄膜トランジスタとCMOSインバーターを試作し、pチャネルとnチャネルが共存するアンバイポーラ型動作が確認された。また二つの多結晶チャネルTFTを用いたCMOSインバーターは高いゲインを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.これまでドーピングによって銅窒化物半導体のn型とp型の作り分けしかできなかったが、良好なデバイス動作によって高品質エピタキシャル薄膜と多結晶薄膜において、ギャップ内準位についての知見が得られた。 2.懸案であった大気暴露下で標準的な半導体製造プロセスが適応でき、良好なデバイス動作が確認できた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度ではエピタキシャル薄膜と多結晶薄膜の基礎的な物性と横型デバイス構造による単膜の評価で得られた知見を活かしpn接合素子作製に着目する。 1.光吸収層に用いるp型多結晶薄膜の合成 2.バンドエンジニアリングによるpnヘテロ接合素子の試作
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