2021 Fiscal Year Annual Research Report
Science and function exploration of improper ferroelectrics
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19H02433
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤田 晃司 京都大学, 工学研究科, 教授 (50314240)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村井 俊介 京都大学, 工学研究科, 助教 (20378805)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 強誘電体 |
Outline of Annual Research Achievements |
BaTiO3やPb(Zr,Ti)O3などに代表されるペロブスカイト酸化物強誘電体は直接型強誘電体であり、電気分極そのものが常誘電-強誘電相転移の主秩序変数となる。これらの強誘電体の設計は二次ヤーン-テラー効果に基づく金属元素-酸素間の共有結合の形成に立脚しており、結晶構造の反転対称性を破るために特定の元素に特有の性質(Ti4+のd0電子配置やPb2+の6s2孤立電子対)を必要する。近年、層状ペロブスカイト酸化物を対象に、2種類の非極性構造歪み(典型的には酸素八面体回転と傾斜)の組み合わせによって結晶構造の反転対称性が破れ、副次的なカチオン変位により自発分極が生成する「ハイブリッド間接型強誘電性」が提唱されている。酸素八面体回転・傾斜はカチオンの電子配置とは無関係に起こり、ペロブスカイト関連化合物において最もありふれた構造歪みであるため、ハイブリッド間接型の機構を用いると、新規強誘電体が開拓される可能性がある。 令和3年度は、ハイブリッド間接型強誘電体の物性・機能を開拓するため、遷移金属をBサイトに含むペロブスカイト関連層状酸化物に焦点を当て、多機能性を有する強誘電体の開発を目指した。具体的には、高温固相反応法や気相合成法により候補物質を合成し、回折法と分光法に基づく詳細な構造解析を行うとともに、誘電的および磁気的性質を調べた。その結果、室温近傍で強誘電性と(弱)強磁性が共存する化合物を見出した。また、いくつの系では構造相転移も同定され、強誘電性がハイブリッド間接型の機構によって現れることが示唆された。これらの成果は、強誘電相転移機構の解明とマルチフェロイック物質の開拓につながる重要な成果である。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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