2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of surface modification technology for promotion of multi materials fabrication
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19H02439
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 卓也 東北大学, 工学研究科, 助教 (10804172)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | マルチマテリアル化 / 溶接・接合 / 表面塑性流動 / 傾斜機能付き複合層 / ショット衝突処理 / 高振幅超音波振動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度、これまでの研究で最適化を行った処理条件でFe2O3, TiB2とWの粉末を用いAl合金(A1050, A6061), Cuまたは Ti製基板にWCショットにより衝突処理を施し表層部での複合層の形成実験を行った. 実験試料の断面においてSTEM観察でミクロ組織およびナノインデンテーションにより硬度とヤング率の測定を実施した. また、Al6061/Fe2O3サンプルの表面にレーザーを照射して、複合層の局所熱処理を行った. さらに、表層部にTiB2粒子が撃ち込まれたA6061合金の板状試験片をSUS304板状試験片にFSW接合する実験を行った。それらの結果を以下に概説する。 ナノインデンテーションの結果によると複合層が形成された表層部には表面から4~5um内部で非常に硬い領域が存在する. 例えば、10分間処理したA6061/Fe2O3試料は表層部内の硬度が6000N/mm2まで高まることが確認された. そのような高い値になった理由は、複合層の粒子が転位および亜粒界のピン止め効果を持つため金属母相で粒子の周辺から多数の転位が発生・蓄積されることで加工硬化したためであると考えられる. しかし衝突処理の最初の段階では、金属中に粒子がないときに転位の蓄積を伴い多数のすべり系と粒界も働きやすいため,粒子が表面から中部へ移動される. このような塑性流動の機構はすべり系が多い面心立方晶金属(Al,Cu)の方が六方晶金属(Ti)より有効であると明確化した. また、複合層処理後にレーザーを照射した試料ではEBSDや X線回析の結果から、AlとFe2O3の間の化学反応、表層部ミクロ組織の変化と発生させた亀裂の閉鎖、という3つの現象が見られた. FSW試験を行った結果、今回用いた異種金属組み合わせでは接合がうまくいかず、試料の準備手法や接合試験条件を見直すなどの対策が必要となる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまで、おもにAl合金/Fe2O3粉末を用い、表層部複合化メカニズムの解明に重点を置いた調査を優先的に進めたが、他の材料系に関する試験、特に複合化処理後のレーザー照射加熱とFSW接合試験の進捗にやや遅れが生じている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究では複合層が形成された代表的な試料を用い、摩擦撹拌接合(FSW)接合・溶接を施し接合特性の評価を行う。特に、Al合金と鉄鋼部材を用い、Al板材接触面表層部にCr,Ni,TiCの混合粉末を含有した複合層を形成し、かつショット衝突により圧縮残留応力を導入した後、Al試料と鉄鋼試料をFSWにより接合し、接合性を評価する予定である。また、接合材料だけではなく、金属表面に被覆する材料の使用自由度を高めることを目指して難成膜材料系としてCu (基板) / W (粉末)も用い、UMCA法により傾斜構造複合層を形成させ、必要な特性を評価する。
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Research Products
(4 results)