2020 Fiscal Year Annual Research Report
Low-temperature bonding using nanostructure on material surface
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19H02444
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西川 宏 大阪大学, 接合科学研究所, 教授 (90346180)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 美紀子 早稲田大学, ナノ・ライフ創新研究機構, 上級研究員(研究院教授) (80386739)
水野 潤 早稲田大学, ナノ・ライフ創新研究機構, 上級研究員(研究院教授) (60386737)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | エレクトロニクス実装 / 高温はんだ代替接合 / 3次元ナノ構造 / 焼結型接合 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度もDealloying法によるナノポーラス構造に限定することなく、新たな3次元ナノ構造形成技術に取り組み、新たな低温固相接合技術の確立に向けて研究を推進している。具体的には本年度は、下記の3項目について研究を行った。 (1)3次元ナノ構造表面を利用した接合メカニズムと接合部劣化挙動の解明:信頼性試験として温度サイクル試験やパワーサイクル試験を実施するとともに、接合に適したCuナノポーラスシートを簡易な方法で作製する方法を検討し、一般的な冷間圧延と熱処理、選択溶解により均質なナノポーラス構造を作製できることを明らかにした。また、接合部の劣化にも大きな影響を与えるCuナノポーラス表面の酸化現象などについて、透過電子顕微鏡によるナノレベルでの詳細評価を実施した。 (2)めっき法を利用したトップダウン型3次元ナノ構造形成と接合性評価:めっき法を用いて作製したAu-Ag合金膜やNi-Fe合金膜を作製し、選択溶解モードについて検討を進めた。ナノポーラスの表面形態が接合強度と関連していると考えられ、添加剤や選択溶解特性について検討を進めた。特に、添加剤の一つとしてチオ尿素の添加有無による構造や溶解特性について検討を進めた。また異なる基板材料としてSiC基板上に形成されたカーボンナノチューブ(CNTs)上に溶液中での金属膜形成検討も行った。 (3)原子層堆積(ALD)法によるボトムアップ型3次元ナノ構造形成と接合性評価:ALD法を用いてCu上にPt以外のRuの薄膜中間層を作製しCu同士を接合する方法を提案した。通常Cu上にRuを成膜することは難しいと言われていたが、ALD法を用いて、プリカーサの保持温度、成膜チャンバーの温度、チャンバーの真空圧力、成膜サイクルを適正な値にすることによりRu薄膜をCu上に、ALDの成膜選択性を用いることで、マスクを用いずに成膜することが可能になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度計画していた内容について、全て予定通り実験を着手し、結果も順調に得られ、一部では当初の計画以上に進捗が見られた。具体的には、信頼性試験として温度サイクル試験やパワーサイクル試験の環境と評価方法を確立するとともに、接合部劣化挙動の解明については、透過電子顕微鏡によるナノレベルでの解析を実施し、着実に進捗している。めっき法を利用した3次元ナノ構造形成でも、提案した検討内容についてすべて着手し、解析も進めている。ALD法についても、Pt薄膜以外は難しいと言われていたRu薄膜を提案し、Cu上に堆積することが可能とするとともに、Cu上への選択堆積も可能であることを示し、計画通りに進捗している。それぞれで得られた結果については、査読付学術論文や国際会議などで随時、発表を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も、2元系合金のDealloying法によるナノポーラス構造形成に限定することなく、新たな3次元ナノ構造形成技術に取り組むとともに、3次元ナノ構造表面を利用した固相接合プロセスにより形成される接合部界面構造や接合メカニズム、接合部劣化挙動の解明を進め、新たな低温固相接合技術の確立に向けて研究を推進する。Dealloying法による3次元ナノ構造表面を利用した接合メカニズムの解明として、Cuナノポーラスシートについて形状・サイズの異なるナノ構造を作製し、独自の加圧加熱接合装置によりNi/Auめっきサンプルで接合実験を行うことで、Cuナノポーラス構造とNi/Auめっき界面で、ナノ構造表面が接合部形成や界面構造に及ぼす影響を調べる。まためっき法については、電析膜を用いたナノポーラス構造と接合強度の関係などについてさらに明らかにしていく。添加剤としてチオ尿素を用いたときの形態や溶解特性、接合強度についてまとめる。SiC基板上に形成されたCNTs上の金属膜形成検討を進め、CNTs内部にまでAu粒子が侵入していくことが確認できており、今後、他の金属粒子の検討も進め、より接合強度の高い膜形成プロセスについての知見を得るとともに学会発表や論文作成を進める。ALD法についても、ALDにより成膜したRu及びPt薄膜を使い、Cu同士の低温接合を行いCu層への詳細な影響について,断面観察、電気的特性等を通して接合メカニズムについて解明していく予定である。さらにCu上への選択的成膜の原理についても調べていく。
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Research Products
(6 results)