2020 Fiscal Year Annual Research Report
再生医療を革新的に効率化する機能性バイオ界面の創製
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19H02447
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
長瀬 健一 慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 准教授 (10439838)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金澤 秀子 慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 特任教授 (10240996)
綾野 絵理 慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 研究員 (10424102)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 温度応答性高分子 / 機能性界面 / バイオ界面 / 細胞分離 / 細胞組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、再生医療に用いる細胞組織を作製するための機能性バイオインターフェイスの開発を目的としている。 令和二年度は、標的細胞を温度応答性高分子であるポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAAm)に電荷を導入したバイオインターフェイスによる細胞分離の機能開発および細胞組織を作製する研究を推進した。 温度応答性高分子PNIPAAmに正電荷を有するポリ(N,N-ジメチルアクリルアミド)(PDMAPAAm)をPNIPAAmにブロック共重合して作製した温度応答性高分子 PDMAPAAm-b-PNIPAAmブラシを用いて臍帯由来の間葉系幹細胞の分離について行った。作製したPDMAPAAm-b-PNIPAAmブラシ修飾ガラス基板に、臍帯由来幹細胞(UCMSC)と夾雑細胞モデル細胞である皮膚線維芽細胞(NHDF)、マクロファージ(RAW264.7)を播種したところ、37℃で全ての細胞が接着した。さらに、温度を20℃に下げたところ、PDMAPAAm-b-PNIPAAmブラシ修飾ガラス基板からUCMSCのみが脱離し回収することができた。この特性を利用して、温度変化だけで夾雑細胞からUCMSCの分離を達成することができた。 また、PNIPAAm修飾基板での細胞組織作製にも着手している。細胞種としてラットから採取した肝細胞を用いて、肝細胞組織を作製した。細胞播種密度やタンパク質吸着量を適切に制御することで効率的に細胞組織を作製することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度に予定していた正電荷を有するDMAPAAmを温度応答性高分子に導入したPDMAPAAm-b-PNIPAAmを構築と間葉系幹細胞の分離を達成することができた。さらに、肝細胞組織作製の条件検討にも着手することができた。これらの理由より当初の計画どおり順調に進捗しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
令和三年度は、温度応答性高分子を用いた機能性バイオインターフェイスの設計を行なう。標的細胞を特異的に接着させるペプチドなどを機能性バイオインターフェイスへと導入し、細胞分離の精度を向上させる。さらに、間葉系幹細胞組織の作製を可能にする機能性バイオインターフェイスの開発にも着手する。
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