2023 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanism of delayed fracture in fail-safe steel with an ultrafine elongated grain structure
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19H02468
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
木村 勇次 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 構造材料研究センター, 主席研究員 (80253483)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 構造・機能材料 / 材料加工・処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、「部材の一部が破壊・破損しても所定の荷重以下であれば部材そのものは完全に破断しない」というフェールセーフ機能を有する鋼(フェールセーフ鋼)の遅れ破壊挙動の解明を目的とする。 2023年度では、2022年度に実施したつくば市の物質・材料研究機構内の暴露場で開始した1800MPa級フェールセーフ鋼材および調質材のボルト型環状切欠試験片締結体の大気暴露実験の結果を受けて、同試験体を用いて遅れ破壊発生の再現実験を行った。なお、未破断の状態で回収した試験体については引張試験を実施して試験体の損傷状態を調査した。回収した試験体はいずれも細断して部位ごとの水素量を昇温脱離水素分析で調べた。その結果、ほぼ同時期の大気暴露実験では累積破断本数割合いと水素量の比較からフェールセーフ鋼材および調質材のそれぞれで遅れ破壊の再現性が確認できた。また、これと同時に実施した、切欠き部を防錆処理してその表面からの水素侵入を抑制した試験体の大気暴露実験では遅れ破壊の発生が顕著に抑制された。このことから、遅れ破壊は切欠き部表面から侵入する水素が遅れ破壊発生に寄与することが明確になった。 また、日本ウェザリングテストセンター宮古島試験場での2000 MPa級フェールセーフボルト締結体の大気暴露実験をさらに1年間継続し、同試験場への委託により毎日の遅れ破壊の有無を確認した。その結果、2021年6月にボルト1本が破断した以外は、本研究期間の破断は確認されず、フェールセーフボルトが2000 MPaの超高強度でも優れた耐遅れ破壊性を有していることが確認できた。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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