2020 Fiscal Year Annual Research Report
フェムト秒レーザ液中還元に基づく微粒子集積固化現象の解明と制御指針の構築
Project/Area Number |
19H02474
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
西山 宏昭 山形大学, 大学院理工学研究科, 准教授 (80403153)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | ナノ材料 / フェムト秒レーザー / 多光子反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,我々が発見した,超短パルスレーザーを用いた溶液中での特異な微粒子集積固化現象についてその機構解明と制御指針の獲得に取り組んでいる.同現象は,従来のレーザー直接描画手法では適用が困難な非感光性材料について,レーザー直接描画でマイクロパターンを形成することを可能とし,極めて広い被加工材料選択性と高い応用性を持つ. 本年度は,我々がこれまでに提案してきた微粒子集積固化機構に深く関わると推定される微小バブルの四方向からその場直接観察,および,その周辺対流の可視化を行った.推定モデルに近いバブルが明確に観察され,その形状およびサイズが明らかとなった.その周辺対流は,概ね当初予想に近い挙動であった一方,事前想定しなかった非対称性と傾斜軸を持つことが明らかとなった.推定機構と観察結果を比較検証することで,この傾斜はバブル表面温度勾配から理解し得ることを示した.また,高速度カメラでの流速評価と解析式から,バブル表面の温度差を概算ながら見積もることにも成功した.これらの知見は,微粒子の集積固化現象についての我々の提案機構の妥当性を強く支持していた.このような提案機構と整合する結果を得た一方で,集光部で起こり得る他の現象可能性が浮上した.この現象および対流の非対称性の理解を進めるのため,現在,他波長レーザーを用いた微粒子集積固化現象の評価と,より詳細な集光部の観察および熱流体解析を進めつつある.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
レーザー集光部での微小バブルおよび周辺対流の直接観察に成功し,熱流体解析へと進展しつつあること,ならびに,提案機構から新たなレーザー集積固化プロセスへの展開が見えてきたため.
|
Strategy for Future Research Activity |
集積部の多方向からのその場観察が可能となったため,微粒子集積固化現象の提案機構の妥当性評価を実験的に一層進めるとともに,流体解析との比較検証を行う.また,機能性粒子集積部の光学的および電気的評価にも広げていく.
|