2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of hydrogen-storage materials using meta-stable dissociative adsorption on metal-dispersed carbon nanohorns
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19H02496
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐野 紀彰 京都大学, 工学研究科, 教授 (70295749)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | carbon nanohorn / hydrogen storage |
Outline of Annual Research Achievements |
単層カーボンナノホーン(SWCNH)は高い表面積を有しているため次世代の水素吸蔵材料として期待されている。Pd-Ni合金ナノ粒子を分散させた SWCNHの水素吸蔵量は合金とSWCNHそれぞれ単独の水素吸蔵量の和よりも大きく、その理由は水素スピルオーバー効果であると考えられる。しかし、Pdの高コストが問題となる。そこで、本研究では水素スピルオーバー法を用いて、低コストの金属ナノ粒子とSWCNHを組み合わせた新規の水素吸蔵材料を開発する。 グラファイト製電極を使用して、申請者が独自に開発したガス導入水中アーク放電法により金属ナノ粒子分散SWCNH を合成した。得られた生成物は 50 ℃で 24 時間乾燥した。また、穴を空けたアノードに挿入する金属線の本数を変えることで、SWCNHの金属含有量を調整した。本研究ではFe、Ni、Zn、Ti、Alの金属線を使用した。同図からSWCNHの内部にTi粒子が分散していることが確認できた。金属分散SWCNHの水素吸蔵量を自作の装置で定容法によって測定した。求める水素吸蔵量は0.95 MPa、25 ℃における平衡量とした。また、水素吸蔵性能の向上を目的として、酸化処理による炭素成分の燃焼を行った。実験には石英管および電気炉を使用し、10 vol% CO2 、90 vol% N2である賦活ガス雰囲気下、1000℃でCO2賦活処理を行った。賦活後、金属の還元を行うために、H2流通下にて400℃で1時間保持する操作を行った。以上の実験より、Ti/SWCNHがもっとも大量の水素を貯蔵できることがあわかった。この実験の最大水素吸蔵量は0.48w%であった。その他、2,3番目としてAl/SWCNH, Fe/SWCNHが0.25wt%, 0.24wt%であった。賦活の効果は明らかにあり、賦活前のTi/SWCNHの水素吸蔵量は0.27wt%であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
複数の金属種を使用して金属分散SWCNHを合成し、Tiが最も優秀な特性を示すことが分かった。この知見は重要であり、研究の遂行上重要なステップアップがあったといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
金属種の種類としてはTiが最も優秀であることがわかったが、他の成分と合金化させてより水素吸蔵特性を向上させる試みが次の段階で必要である。機構解明のため分子軌道法計算も行ったが、Fe/SWCNHが終了したのみであり、継続の必要がある。
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Research Products
(2 results)