2019 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanistic investigation of dynamic metal nanoparticles
Project/Area Number |
19H02535
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
今岡 享稔 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (80398635)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 金属クラスター / 白金 / 電子顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究課題は「時空間構造の解析手法確立」であり、サブナノ粒子構造の多様性と相互変換の速さをそれぞれ、透過型電子顕微鏡(TEM)の高時空間分解能(0.1 nm、0.2 s)の実現により定量化することを目標として研究を進めた。その結果以下の成果を得た。(1) 低加速電圧(80kV)HAADF-STEM観察による原子分解能動画(16bit, 5FPS)を取得する手法を確立した。(2) 基準画像に対する画像の時間変化を画像の二次相関係数をもとに解析し構造変化の速度を明らかにした。(3) サブナノ粒子構造変化の瞬間速度はガンマ分布で表せることが明らかになった。これは構造変化がブラウン運動と同様に完全にランダムな過程であることを示している。(4) 構造変化の速度には元素依存性があることが明らかになった。 放射光XAFSを用いた微細構造(平均情報)解析も同時並行で進めた。結合距離の平均が0.01Å精度で得られるので、電子顕微鏡によって得られた結合距離の妥当性評価の根拠も得られた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
画像解析の手法を計画通りに確立することができた。また、その解析を通して元素依存性や、運動速度の統計分布解明など、当初予想しなかった結果を複数得ている。ガス分子吸着状態での観察についてもいち早く準備を進めていることから、計画以上の進展が得られていると判断する。
|
Strategy for Future Research Activity |
計画通り、白金クラスターの運動性の原子数依存性を調査するとともに、構造の自動分類などの手法も確立する予定である。またガス分子共存下におけるin-situ観察も進める。 当初、ガス反応ホルダーを購入予定であったが、配分予算の都合でこれが困難であると判断、次年度の研究の準備としてナノテクプラットフォーム利用の検討を進めた。結果、当初計画していた研究が遂行可能であることが明らかになったため、本研究予算内でのホルダー購入を一旦保留した。 余剰予算が発生したため、これを原資にさらなる研究成果を得るための新たな研究課題(合金の評価)を策定、既に予備的な実験も開始している。この課題は次年度の調整金として申請予定である。
|
Research Products
(8 results)